第174話 それぞれの特訓
桜の本当の強さを初めて見たナンナとナーナの姉妹、この域まで上がれるのか
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本文
その頃陛下、ナーナ、ブローマ、シャチー、カーリー達・・
ターン!
「うっ・・・・」
「帝! 雑念が入っておる!!」
「はい!」
「ブローマを見習うがよい」
「父ちゃんは馬鹿だから何も考えてないだけだと思うけど・・・」
「それでも良いのじゃ、魔力は持って生まれた資質で大部分が決まるがイメージ力によっても上げる事ができる。じゃが人間はイメージ力が弱い、それは雑念が直ぐに心を支配してしまうからなのじゃ。瞑想はイメージ力の訓練、心を無にする事が日常的にできるようになれば瞬間的な魔力は格段に上がるようになる、大魔法が使えなくとも一つ一つの魔法の威力は数段上に上がるのじゃ。桜、見せてやってくれ!」
「あいわかった、では皆、妾はこれから生活魔法、所謂食事時に火を起こす魔法を唱える。じゃがイメージを力を最大限活用して魔法そのものを変換させる故よく見ておるのじゃ」
「ここまでの変換は妾には出来ぬ、桜だから出来るのじゃ。よ~くみておれ」
桜は手の平の上に火魔法を創りだした、ここまでは普通の火魔法だが・・・・・・
「え? 嘘?・・お母様・・それは本当に生活魔法なのですか!?」
桜の手の上の魔法がどんどん大きくなっていく、このレベルだと最早中級魔法のレベルだ
「そうじゃよ、じゃがこんな物ではない、イメージ力を最大限高めるとこんな事も出来るのじゃ」
そう言いながら桜は庭の方へ歩いて行く、そして火魔法は更に大きくなって行き・・・・
「うぉ! マジかよ!」
「ド! ドラゴン!! 嘘でしょ!?」
ナーナがひっくりかえっていた、桜の創り出した生活魔法は巨大なドラゴンの形を取っていたのだ・・・
「見るが良い! これが妾の切り札じゃ、
ゴワーーーーーーー!!
空気の摩擦と熱量で本物のドラゴンが吼えているかの様な轟音を響かせながらドラゴンは天高く舞い上がっていった
陛下達は腰をぬかしながらそれをただ見つめていた・・・・
「良いか、上級だの中級だのと言うのは人間が作った唯の秤でしかない、本来魔法と言うのはどれだけ異界からその真名を取り出せるかでしかない。じゃから生活魔法とてその真名の量によって桜の様な強大な魔法へと変化させる事が出来るのじゃ、わかったら訓練の再開じゃ!」
「はい!」
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その頃ラフィーネ、リーア、アンナ、シエラ、セフィリア、セレスティア、セーラ達はマヒシャに戦闘訓練をつけてもらっていた。
「姉さん達本当にいいのかよ?」
「かまいません、思いっきりやってください!」
「まじで触れただけでドカンだぜ? 一応最強の宝貝なんだからよ?」
「温い修行では強くはなれません、足手まといにだけはなりたくないのです」
「ちっなら本気でいくぞ! 番天印!」
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ルシア達は戻った魔力でセリナの所に来ていた。
戦闘に不向きなルシア達は戻った魔力で回復魔法を極める事に専念していたのである。
「あ~ダメダメルチアさん、回復魔法と治療魔法との差をしっかり理解してくださいよ!」
「すいません・・・・」
「いいですか? 回復魔法はあくまでも生命力や疲れとかを回復させて表面上の外傷を一時的に治癒するだけなんです、ルシアさん達はその膨大な魔力である程度中身まで治癒出来てしまうから間違いをおかすんです。ですがそれでは完全に治癒は出来ないんです、治癒魔法は魔力によって臓器や血管等を本来の姿に戻す魔法、魔力で人間の持つ自然治癒能力を拡大させるのが治癒魔法、それには人間の体構造をしっかりと理解して魔力でどこが機能不全を起こしているか確認するとこから入らないとダメなんですよ? その行程を飛ばして直ぐに治癒に入ったところで唯の回復魔法にしかなりません! もう一度最初から!」
「はい!」
テイアー達も郊外で助かった同族達と独自で戦闘訓練をしている、そしてワルキューレ隊も猛特訓を朔の指示で繰り返していた。それぞれがニビル到来へ向けて用意を行っている、ミーシャやセナも城壁の修理や新たな防御砦の構築等で休む間も無く飛び回っていた。
一つ変わった所は浩二がそれに加わった、ミーシャ達には本当の事を話し、浩二の知恵も借りてムーやレムリアの防衛を強化しているのだ。
とにかく勝つ必要は無い、守りきれば俺達の勝ちなのだ、その為には手段は選んでいられない・・・・
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ポセイドーン神殿
しばらくマルティアとアリアドネは睨みあっていた、均衡を破ったのはアリアドネだった。
「いくわよ!」
剣で襲い掛かるアリアドネ、マルティアの防具がついていない首の部分へ向けてだ
「甘い!」
だが剣技でははるかにマルティアの方が勝っている、マルティアは難なくかわし、逆にアリアドネに襲い掛かるが・・・
「何!?」
暗器、アリアドネは短剣を隠し持っていて、マルティアの首めがけてに投剣した、間一髪交わすマルティア、だが・・・
「それで避けたつもりかしら? マルティア!」
背後から今投げた短剣が戻ってくる
「何だと!!」
何とか交わすマルティア、だが更に隠し持っていた短剣を4本投剣するアリアドネ
「5本の短剣! さあどう交わすの!?」
「舐めるなーーー!」
マルティアは盾でアリアドネの投げた4本の短剣を弾き、背後から来た探検を剣で弾いた、そして水魔法をアリアドネに向けて放つ、だが・・・
「嘘だろ!」
今度は5本の短剣があらゆる方向から襲い掛かる、そしてアリアドネ自らも切りかかってきた。
そして水魔法など神衣を纏っているアリアドネには何の効果も無い
「ペンヂュラムの糸! これが私の奥の手よ! マルティア、終わりよ!!」
「マルティア、負けちゃうの?」
「大丈夫だ! マルティアはもう対処法に気づいている」
「残念だがまだ終わらない、シヴァ!!」
マルティアのフォルムが明後日の方向に放たれるが、なんと短剣がその動きを止めた。
「え!? 何で・・・」
「不思議じゃないさ、お前の奥の手が糸だと言うのは知っていた、先程の水魔法はお前ではなくお前の周囲の糸を狙ったんだ! 水分を含んだ糸は凍りつく、ペンデュラム、振り子の原理を利用して短剣を操っていたようだが凍った糸では上手く操れまい?」
「貴女が撃ったのが炎の魔法ならね・・・」
「それも先刻承知さ、炎耐性の有る糸なのだろう?」
「そこまで考えて水魔法を使ったのね、最初から氷魔法を使えば対処されるから逢えて水、氷の順に打つ・・・流石は戦争の女神・・・テーセウス様、私の負けです、糸が封じられれば私にマルティアに勝つ条件は一つもありません」
「解った、勝者マルティア!」
抱き合う二人、中の良い友達だったのだろう
「一時はどうなるかと思ったわよ・・・」
「大丈夫さ、あれでも一応は戦争の女神だ、今までのマルティアとは違うよ!」
「そうね、おめでとう! マルティア、後1人ね」
「ああ、ありがとう久美! 次も必ず勝つさ!」
「ではお願いします叔父上!」
「やあパラス、いやマルティアだったね、大和君も久しぶり」
「アイトーロス! 三人目はお前か!」
「アイトーロス叔父上、記憶は戻っておりますよ?」
「そうかい、では遠慮はいらないね?」
「当然です! 私も全力でお相手いたします」
アイトーロス、戦車競争の覇者か・・・手ごわいぞマルティア・・・
「大丈夫かしら? アイトーロスって有名な戦車競争の覇者よね?」
「一応助言しておくか、マルティア、もっかいこっちだ」
「はい、主人様!」
「マルティア、アイトーロスとの接近戦はなるべく避けろ、あいつは戦車競争の覇者だ、当然武器は・・・」
「モーニングスター、そして怪力の持ち主・・」
「そうだ、いくらお前のパラディオンが防御力が高くても衝撃は来る、いいな?」
「解りました!」
ついにマルティアの最後の相手、だがその相手は英雄であった。
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