第129話 神の畏怖
アグディスティスの力とはどの様な物なのか?
設定はあれこれ考えたのですが、神話での彼女の役割が多すぎて無敵になっちゃいました、結局あれこれと自重していくうちにたどり着いたのが恐怖、その他にも有りますが、オリュンポスとの戦いまで封印です!
本文
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ティオティワカンの食事処
「え~‼ じゃあ明日エンメルカルさん達帰っちゃうのー⁉」
「ああ、あんまり長々と仕事ホッポリだす訳にも行かねーしな」
「折角仲良くなったのに~、、ねえ? アレッテ」
「そうですわね~、でもお仕事なら仕方ございません」
「ならデヴァーニちゃんもアレッテちゃんもラ.ムーに来なさい! そうすればエンメルカルちゃんに何時でもあえるわよ?」
「ラ.ムーか~! 夢の街よね~」
「ですが頼る処もございません、いきなり行って暮らして行けるかどうか…………」
「大丈夫よ~! このティオティワカンには素晴しい物が沢山揃っているわ~! ラ.ムーは今空前の好景気よ? こちらの品々はラ.ムーでも沢山売れるわよ~!」
「おいカーチャン、勝手な事言うなって! 責任持ってやれるのか?」
「大丈夫よ~! ママがついてるわ、最悪エンメルカルちゃんのお嫁さんになっちゃえば良いのよ~」
「それは良いわね、お母様!」
「デヴァーニさん! いきなりお母様呼ばわりは失礼です!」
「良いのよ? アレッテちゃんも私の事ママと呼んでも?」
そんなこんなで3日後アレッテとデヴァーニを迎えに行く事になった、アレッテの方はシオンに支店を出す事にしたらしい、公益ルートは何とかなるみたいだ、デヴァーニはアレッテが雇う事に決まった。
俺は一度シオンに帰って改めて迎えに来ようかと考えていた、様子が解ったので浮舟が出せる。処が…………
「健様、アグディスティス様、朔様から念話です、明後日までここで待機してくれと、事情は念話では言えないので、直接ここに来て話すと……」
「何だ⁉ 何か事件か?」
「アプスーからね~、ニンガルとナンナが噛んでいるのじゃないかしら?」
「イナンナが?」
「あらそう言えばニンガルちゃんは健ちゃんのお嫁さんになったのかしらね~、じゃあママもイナンナちゃんと呼ばないとね~!」
ダメだ、カーチャンと話していると調子が狂う…………
そしてアグディスティスは寝るときも風呂も全て俺と一緒にいる、放れない、放そうとすると大泣きする、、、当然アンナとやるときも一緒だ、そうなるとアグディスティスにもやらなければ泣く…………
もうどうでもいいぜ! 近親相姦? 知るか‼
アグディスティスは美人だーーーーー!
とでも思わなければ俺の精神がやられる…………
そうこうしている内に浮舟が到着した、降りて来たのはマルティアだった。
「主人様! 寂しかったですよ~! そしてお初にお目にかかります‼ アグディスティス様私は……」
「あら? お初じゃ無いわよパラス、貴女も魂が弱くて記憶を引き継げないみたいだけど?」
「カーチャンやっぱりマルティアはパラスなのか⁉」
「アプスー達は話して無いみたいね? そうよ健ちゃん、この子はパラスの転生体、、成る程、、読めたわ、海王が私達を読んでいるのね?」
「はい! アグディスティス様、私と主人様に合うと…………ではやはり私はパラスの……」
「復習…………かしらね……貴女はゼウスとアテーナーの騙し討にあったのよ? だから健ちゃんの妻に成るべく転生したのね」
「お言葉ですがアグディスティス様! 私の主人様への想いに嘘偽りはございません‼」
「あらあら怒らないでねマルティアちゃん、それは言われなくても解っているわよ? 私はこれでも大地母神よ?」
「は! はい、申し訳ございません」
「でもパラスちゃんは無念だったと思うわよ? アテーナーを本当の姉妹として観ていたからね」
取りあえず俺達は用件をきき、アレッテとデヴァーニーに少し出発を送らせて貰う事にした。
俺はアレッテの店に出向いた。
「よう! アレッテ、デヴァーニはいるか?」
「おりますよ? お呼び致しますか?」
「いや、ちょっと3人で話がしたい、今明けられるか?」
「大丈夫です、ではこの先の茶屋にでも行きましょうか?」
「そうだな」
そして3人で茶屋に出向いた
「単刀直入に言う、済まなかった、俺達は正体をお前達に隠していた。だがお前達をラ.ムーに連れて行くのは本当だ!」
「えーと、お話が見えませんが、ようはエンメルカル様は本当はエンメルカル様ではなく、別人と言う事でございますか?」
「いや、そうじゃない、確かに俺はエンメルカルだ、だがそれは生まれ変わる前の話しだ、今の名は違う」
「記憶を残して転生されたのですか? それでは神じゃないですか‼」
「ん~記憶は無いんだよ、記憶が有るのは母ちゃんの方だ」
「ではエンメルカル様のお母様、セーラー○ーン様は神ですか?」
「ああそうだ、あの人は皆が神と呼んでいる人だ、それにセーラー○ーンはあの人の本当の名前じゃない! セーラー○ーンと言う名は俺の時代のアニメと言う娯楽の主人公の名だ」
「時代? …………まさかエンメルカル様は」
「そのまさかだアレッテ、俺の名は大和健、ムー皇国の太政大臣で天空人だ!」
「えーーーーーーーーーーー!」
この後俺は事情を全て話した、デヴァーニ辺りは目を白黒させながら聞いていたが、アレッテは直ぐに平常心を取り戻した、流石は商人と言った所か……肝が座っている。
二人には俺が迎えに来るまでアレッテの店で待っているように言っておいた。
そしていよいよ海王の神殿に行く
「処でマルティア、お前はポセイドン神殿の場所は解るのか?」
「いえ、主人様がご存知だと聞きましたが⁉」
「いや、俺が知ってるのは歴史遺産位な物で、そこに本当にいたわけじゃねーだろ?」
「あら? 健ちゃんは知っていると思うわよ?」
「え? 知らねーって‼」
「この近くの海域でよく船や飛行機が遭難する場所、そこにはノアの洪水で沈んだポセイドン神殿の跡地が有るの、だからよく遭難するのよね?」
「バミューダ海域か! 今は確かに陸地だ……そうか、ポセイドンの魔力の力で空間が歪んで……」
「そうよ健ちゃん、あの神殿はオリハルコンで造られているの、だから魔力を多量に含んでいるのよ? イナンナちゃんが住んでいるクリスタルタワー見たでしょ? あれも同じ、住む者を越える魔力が無いと現視すら出来ないわよ」
「ならルル、ルララ、ルチル、場所はここだ! 行ってくれ!」
「解りました!」
転移する浮き舟、そしてそこは、とてつもない魔力の渦が漂っていた。
俺には違和感しか浮かばない、マルドゥクの時のような、だがルチル達ジャーリアは魔力を感じる力が非常に強い。
「凄い魔力だね?ルル」
「うん、息が詰まりそう……」
「ルルとルララは浮き舟で待っていろ、ルチルは俺と来てくれ、万が一は無いとは思うがその時はマルティアをタンクにして祝詞を頼む」
「はい! 解りました」
「大丈夫よ~健ちゃんとお嫁さんはママがちゃ~んと守ってあげるからね」
「いや、それ逆なんじゃねーかと思うんだけどよ?」
「健ちゃんママを守ってくれるの?」
「いやいや、だからあたりめーだろ?」
「健ちゃん、ママはうれしわ! 本当に立派に育ってくれて」
ダメだ…………マジでこの人と話してると調子狂う……
「でもね健ちゃん、ママとっても嬉しいけど健ちゃんではまだオリュンポスの1柱にも勝つのは難しいのよ…………健ちゃんが居なくなっちゃうのはもうママ耐えられないから、無理はしちゃ駄目よ?」
「この間はディオニューソスに勝ったけど、まあ確かにナンナとイシュタルの力は借りたか……」
「ナンナちゃんは知ってるけど、イシュタルちゃんて言うのは?」
「このルチルが分身なんだけど、俺とイナンナの娘だよ」
「まあ! まあ! 何てかわいらしいのかしら⁉」
俺の娘と聞いた途端にこれだ…………ルチルは既にアグディスティスに抱っこされていた。
「あ、あの、、アグディスティス様?」
「そうね~、おばあちゃんは流石に言われるのは嫌だから、貴女も私の事ママとお呼びなさい!」
「あ…………はい……ママ」
ルチルはキスの連発を喰らっていた、そして……
「ここね!」
「アグディスティス様、何も有りませんが?」
「マルティアちゃんもママと呼んでも良いのよ?」
「え? あ、はい……ママ」
「そうね、マルティアちゃん、まだ貴女の魔力でもあれを見るのは出来ないわね。
さて、、招待しておいて姿を隠すとは情けないわね? レアーの子、卑怯にも騙し討で親を殺しておいて私達も同じようにするつもりかしら?」
途端に辺りの雰囲気が怪しくなってきた、そしていきなり兵隊らしき者が襲ってきた
「我が主を卑怯もの呼ばわりとは、死を持って償え女!」
「本当の事言われて切れてんじゃねえぞこのイカ男!」
兵隊が剣を抜いて飛びかかって来るも
ガン!
俺達の回りに薄い空気の膜みたいな物が張られていた
「ニンフごときが我が近くに寄れると思うな‼
我が名はアグディスティス、死と再生を司る、お前は死を望むか⁉」
突然の恐怖、それ以外の何も語れない、今まで飄々としてきたアグディスティスに今明確な恐怖を俺は感じていた。
今までにも神性を感じた事は何度もあった。だがここまでの恐怖を感じた事は一度も無い、これが神と言われる者が持つ本当の畏怖か…………
ディオニューソスとは次元が違う、詰りマルドゥクもあのときはまるで本気じゃなかったって事か、クソッタレ‼
足が動かない、恐れか? 駄目だ、こんな状態で俺はベールと対峙出来るのか? 動け!
「あ! ごめんなさい健ちゃん、ママいけないわね? つい殺気を出しちゃったわ」
「あ、ああ、てか今見せて貰って助かったぜ、ベールと対峙したときこんなんじゃどうにもならねえしな……」
そしてまたプレッシャーが健を襲う
「済まなかったな、アグディスティス!」
また来やがった、トンでもねえ圧迫感が……ポセイドーンか…………
「ニンフの躾が成っていないようね?」
「済まない、だがそいつらはニンフではない、一応オリュンポス族の端くれだ」
「こんなのを人間が神として崇めているとは、人間も哀れね」
「さて健大和、先日のエンデュミオーンの件、礼を言わねばなるまい、あれらは我が配下」
「礼なんて入らねーよ、ただ俺は未来人であんたらの歴史を知っていた、俺は自分の女の悲しむ姿は見たくねー、もしマルティアがあいつらの事を知ればマルティアが悲しむ、だから止めさせただけさ」
「ならばよけいお前に礼を言わねばなるまい……」
「エンデュミオーンから聞いたのか? マルティアの事……」
「ああ、まさか転生していたとはな…………パラスよ、こっちに来てよく顔を見せてくれ」
マルティアは俺の方をみた、俺は頷きマルティアを促した、マルティアはポセイドーンの元え行く
「あ、あの、私には自分がパラスかどうか解らないんです、ただ健様がこのパラディオンを纏えるのはパラスしかいないと…………」
「ああ、それで間違い無い、このパラディオンは幼きお前の事を案じた我が子トリトーンにせがまれ我が造らせた物だ、トリトーンはお前を失った悲しみから転生するのを止めてしまったがな、だが今お前はここに転生している」
「では、やはり私は…………」
「パラスよ、いや、今のお前の親に頂いた名で呼ぼう」
「ちょっと待ってくれポセイドーン、早とちりしている様だから言っておくが、パラスは生きていたんだぞ? ゼウスに殺されてはいない」
「何だと? 少し詳しく教えてくれ大和、今お前はパラスがゼウスに殺されたと?」
「そうだ、知らなかったのか? 俺達の時代に伝わる神話ではこう伝わっている。
パラスが一撃を女神に与えようとした際、ゼウスは危惧して、空よりアイギスを差し出した。パラスは驚き、直後のアテーナーの攻撃が彼女の命を奪った。女神は親友の死を悲しみ、パラスに似せてパラディオンと呼ばれる木像を造った。
詰り後生に都合よく解釈させる為にパラディオンまで利用している、だがマルティアの先祖はパラス本人何だよ、マルティア、アロンダイトを見せてやれ」
「は、はい! 私のご先祖から伝わる家宝の剣です」
「これは、、まごう事なきアロンダイト!…………気が変わった、健大和これより我が海王の軍は南アトランティスに着く事としよう、マルティア、そのパラディオンを此方へ向け上に掲げなさい」
ポセイドーンの三ツ又の矛からパラディオンへ光が通った、そしてパラディオンが木像から黄金に輝く像えと変化した。
「やはりな、経年の劣化かと思ったがアテーナーの封印であった、マルティアよ、そのパラディオンは元の本来の力を取り戻した。お前がパラスの記憶を取り戻せば取り戻す程にそのパラディオンは力を増すであろう。健大和よ、我が力を貸すのはここまでと思ったが、我が愛おしい孫娘を奸計に嵌めたゼウスは許さん! マルティアよ今一度覚悟を問おう、お前が愛する大和にお前は付いていくのだな?」
「はい! 私は健様の妻です、死してもついて参ります」
「よく解った、では我ら海王の一族はこれよりオリュンポス族との戦に入る、全ての一族を終結させよ!」
「マルティア、お前のおじいさんだ、そう呼んでやれ」
「え? あ、はい…………お祖父様、ありがとうございます」
「そうか、マルティアよ、祖父と呼んでくれるか、健大和、マルティアを頼んだぞ? 不幸にしたら許さん!」
「言われるまでもねーさ!」
「キュベレイよ、お前とは少々話したい事がある、此方へ来てくれ」
「解ったわ、健ちゃん、マルティアちゃん、ルチルちゃん、ちょっとここで待っててね?」
神殿の奥に入って行くポセイドーンとアグディスティス
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