第117話 女神の片鱗

マルティアが何者なのか、正体が明かされようとしています。

パラス.アテーナーと言う女神はご存知でしょうか?

アテナであってアテナでは有りません…………

美しき女神でありながら、不遇の生涯を強いられた悲しき女神、マルティアは幸せになるべき人なのです‼


本文

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所変わってアトランティス軍左陣


「ナルメル様!ディオニューソス様、タケルヤマトに敗北、ヘスティアー様共に敗走したようでございます」


「そうか、流石は全てを越えし者、そろそろ頃合いだな……」



ナルメルは立ち上り、報告してきた本陣斥候の前に立つ


「どういたしました?」



「ああ、こう言う事だ」


ザシュ‼


ナルメルは斥候を切り殺した


「皆のものよく聞け!我らナルメル隊はこれよりムー、レムリア連合軍に味方する!敵はファラオ、スコルピオン二世だ!突撃する、合戦用意‼」


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連合軍本陣


「申し上げます‼敵左陣に配置されていた一軍約3万、突如動き出しました!」


「今まで戦況を観察していた部隊ですね、セーラ殿、どう見ますか?」


「アルトレア殿、今は何とも……それで、その軍は我が軍の何処に攻撃を?」


「それが……敵本隊に向けて攻撃を仕掛けております‼」


「何ですって?ではまさか‼」



「そうです、総帥の仰っていたこちらの間者です!動きましょうコトポニア様、アルトレア殿!」


「それで、その部隊の旗印は?」


「は!コトポニア様、、第三王子ナルメルの物です」



「ナルメルがアトランティスを裏切ったのですか‼」



「裏切ったと言うより……健様に魅せられたのでしょう…………」


「確かに、あのお方は不思議な魅力をお持ちです、私も惹かれる処が有りますし、男性でも同姓にそう言う方が居ても不思議では有りませんね」



「ならアルトレア、戦いが終わったら大和閣下へ告白なさい」


「王妃!私はそのような意味で言ったのでは…………」


セーラは言えなかった、ナルメルは恐らくTMSNの会員で、魅せられたのはS○の魅力にだと言う事を……


「それでは皆に厳命をお願い致します。恐らくナルメル王子の軍は殆どが女性、そしてこちらの味方である意味を含んだ印を結んで来ます。その印はこうです、そしてエンピと言う言葉を発する事が有りますが意味は解りません。恐らくは暗号か何かかと…………

また多分体の何処かに627の数字が付けてある筈です、それは味方と言う証拠になります」


「凄い!大和閣下は予めそこまで内通者の安全を考慮されていたのですか⁉感服致しました」


「え?……ええ…………では総攻撃、参りましょう……」


またしてもセーラは言えなかった、変態マークに変態合図だとは…………



そして総攻撃に出たセーラ達はもっと飛んでもない物を見たのであった、そこで戦っていたアトランティス兵は、食肉様にアトランティスへ売られたジャーリア達だったのだ。

変装し、偽装を施してナルメルに保護されていたジャーリア達が、今セーラ達の目の前で猛然とアトランティス軍へ攻撃を加えていた。

勿論そのジャーリア達は食肉様に送られたので成人したジャーリア達だ、ワルキューレ隊の若いジャーリア達よりも数段戦闘力は上だった。

つまりパティやマリーダ、ラフィーネやリーア達が無数に存在している部隊なのだ、その戦闘力は破格、そしてルチア達の様に成人した美しきルチーナタイプの神道魔法の使い手達が、その戦闘集団に援護魔法を掛けていた。

たちまち総崩れになって行くアトランティス軍、その先頭にはTMSNの会員で有り、アトランティスの第三王子ナルメルがエンピの印を結び、疾走していた。


「おお!ムー軍の将軍と見た、名誉会長に土産を持って参上つかまつった!我はナルメルと申す、この子達は無類の強さを持っているぞ‼連合軍の勝利は約束されたも同然」


「ナルメル殿、私は健様の妻でセーラと申します、何よりの土産、感謝致します!その者達の無類の強さは我らもよく存じております‼」


「では敵の大勝は我が兄ロムエルだ!共に撃ちに参ろうぞ‼」


勝敗は既に決していた、ナルメル軍3万の内1万はジャーリア部隊、1万ものヴァルキュリアを相手に勝利できる軍等存在しない。



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再びマルティア達


指揮をセレスティア達に任せたマルティアはレイラの案内の元オリュンポス族の元へと急いだ


「マルティア様、あの洞窟の中です、あそこから念話でティターンの巨人たちに支持を出しているみたいなんです」


「解った、レイラは後退しろ、ここは危険だ」


「私は健様にこの事を知らせて来ます!」


「頼む、出来るだけ私達で何とかするが、総帥の援護が頂けるのなら心強い!オリュンポスを倒してこちらへ向かっているとの事だしな」



マルティアは洞窟の中を慎重に除いたが、、、、、


「中に入って来るとといい、僕達はいきなり襲ったりはしないよ?特にご婦人に対してそのような失礼な事はしないさ」


「それは有り難い・・・お前たちはここで待機だ、アスタリア、一緒に来てくれ!」


「んーー!」わかりましたと言っている・・・


「ほう、お二人とも美しいご婦人だ、、多少趣味の問題がありそうなご婦人もいるようだが・・・」


「アイトーロス、趣味で人を判断してはいけないよ?それを言うなら我らオリュンポスの特に十二神の男神の趣味ときたら・・・・」


「そうだったね・・父上エンデュミオーン・・・」


「趣味の話はいい、私達はあなた方にティターン族を解放してもらいに来た、一応名乗っておこう、私はマルティア大和、こっちはアスタリア大和だ」



「これはご丁寧に、私はエンデュミオーン、こっちはアイトーロス、僕の息子だ!祖父はアイオロスと言ってね、オリュンポス族では十二神に匹敵する存在なんだよ。処で先程ティターン族を解放しろと言っていたね?」


「そうだ、ティターン達と先ほどまで戦闘していた私達にはわかる、彼女たちは望んで戦闘している訳ではない!私は貴方達に戦いを強要されていると見ている」


「そうだね……強要と言えば強要かもしれないね?だが貴女はその前段階を知っててそう言っているのかい?彼女たちは我らを裏切ったんだよ?そして我らとの戦いを望んだ。こうなる事も全て承知の上でのおこないだろう、覚悟の無い者は戦ってはいけない、貴女はそう思わないかい?」


「至極当然だ、だが彼女たちの戦いは別だ!貴方たちは彼女たちやティターンが戦っている理由を知っているのか?守るための戦い、貴方は子を母が守る為の戦いでもその理論を強要するのか?」


「成程、これは一本取られたようだね父上、僕は彼女の方が正しいと思うよ?」


「そうか!では解放してくれるか?」


「それは無理だと言っておこう、僕たちの役目は彼女たちを使って戦争をする事だ」


「貴方たちは紳士だと思ったが・・・どうやら勘違いのようだ」


「いや?これでも僕達は紳士のつもりだよ?だからこそ貴女に今指一本触れてはいない、君達の亭主であるあの強姦摩とは違う」


シュー!

剣を抜き、構えるアスタリア


「待てアスタリア、、もう少し話をさせてくれ!

確かに我主人様は女とみれば見境無い、だが・・・貴方たちの様に女の後ろにこそこそ隠れ、危険の無い処で戦の高みの見物等と言う卑怯な真似は、我主人様は絶対にしない!主人様の戦いは私達を守る為の戦い!理不尽から女を守る為の戦いだ!」


「あははははははこれは父上、またもや一本取られましたね、確かにあの強姦摩は妻達を守る為に戦っている、僕達より余程まともだよ!」


「ふ~・・・しかたない、、、ゼウスの命に背く事になるが、、、卑怯者呼ばわりされれば致し方ない、、、ではご婦人、それでも止めないと言ったらどうするね?」


「力で排除させて頂くまでです」



「そう来なくてはね、ならその背に背負う業物、ご披露願おうか!」


「外に出るぞ!アスタリア!」


二人は外に飛び出し剣を構えた、追ってオリュンポスの二人も出てきて剣を構える


「では参るぞ、わが力は王の力、ティルフィング、我に勝利を見せろ!」


テルフィングが光輝きマルティアを襲う、そしてティルフィングが赤く怪しく光輝きマルティアの首をはねようとするが


ギャイン!!


マルティアの持つ剣がそれをはじき返した


「このティルフィングを受けきるとは、やはり私の目に狂いは無かった、ご婦人!その剣の名は?」


「知りません、ただ私の家に代々伝わる家宝としか・・・」


「何ともったいない、ならば私がその名を教えよう。その剣の名はアロンダイト!ティアマト原初神により鍛えられし2本ある姉妹剣の一つ、姉妹剣の名はエクスカリバー。

我剣ティルフィングは望みを叶える剣だがその剣は勝利を約束する剣だ」



「勝利を約束する!?この剣が・・・・」


「そうだ、剣の名を知るのと知らないのでは出せる力の差は歴然、さあ、剣の名は教えてやったぞ!存分に打ち合おうぞ!」


「また父上の病気が始まったか・・・名剣と打ち合うのが趣味の様な人だからね・・・仕方ない、僕達も始めようか・・・・って・・・多くないかい?100人以上が僕の相手かい?」



「んーーーーー!んんーー!」


「悪いけどそれを外して喋ってくれないかな?・・・」


アスタリアはギャグボールを外した


「まずは私からだ!順番に戦う、だが私が勝利して主人様から私が性行報酬をもらう!」


「もうそれで決まりなのかい?疲れるんだけど・・・・」


「決まりだ!参る」


そうしてマルティア対エンデュミオーン、遊撃隊対アイトーロスの戦いの幕が切って落とされた


「私の剣が勝利を約束する剣・・・父上!ありがとうございます・・さあ、アロンダイトよ、この私に勝利を約束してくれ!」


アロンダイトが光輝く、マルティアから伝わる魔力を帯びて光輝いていた。


「魔力?そうか、この剣は摩道具!そして私の魔力を欲しているのか!ならありったけ持っていけ!!」


マルティアの動きが明らかに変わった、ルチーナタイプの神代魔法に加え、アロンダイトによる戦闘力上昇、風化倫の補助もあり、最早ラフィーリアにも匹敵する戦闘能力とリグをも超える身体能力でエンデュミオーンに襲い掛かった。


ギャイン!ギャイン!ガカー!


「どうしたアロンダイト!お前の力はそんなものか⁉私に勝利を約束してくれるのでは無いのか!」


「ティルフィングよ!我望みはアロンダイトに打ち勝つ事!望みを叶えよ!」


わずかにだがマルティアの方が部が悪い、いくら様々な補助を得ていようと人の身でティアマト人に打ち勝つのは並大抵な事ではなかったのだ。

マルティアの体に紫綬仙衣を突き破りいたるところにキズが付けられていく、だがマルティアは悲鳴一つ上げる事は無かった。

マルティアは引け目を感じていたのだ、健が自分の事を大切にしてくれている事はマルティアには痛い程わかっていた、だが自分はその愛に夜伽だけでしか返す事が出来ない、元より張り合うつもりなど無かったが、久美が羨ましかった。同じ大将軍でありながら久美は全てにおいて自分を優り、いつでも健の力になっていた、そんな自分がマルティアには許せなかったのだ、家名だけで第七夫人に納まっている・・・・

誰もそんな事は言わないが、マルティアは自分で自分をそう追い込んでいたのだ。



健達が追いついた


「マルティア!もういい!キズだらけじゃないか!後は俺にまかせろ!」


「ダメです!お願いです主人様!手を出さないでください!これは私の戦いなんです」


「何言ってんだ!ダメだ!お前の大事な体にこれ以上キズが付くのを見ていられるか!俺は加勢するぞ!」


そう言い飛び出そうとした時に、久美が健を抑えた


「何しやがる!話せ久美、マルティアの体に傷が!」


「兄さん、マルティアは兄さんのお人形じゃないわ!意思を持って兄さんを愛しているの・・・お願い、この戦いはマルティアにやらせてあげて」


「でもマルティアの体に・・・解ったよ・・・」


久美には見えた、必死に、懇願する様な目で自分にやらせて欲しいと訴えるマルティアの目が、何故そこまでの決意を持ってマルティアがこの死闘を演じているのか久美には解らなかった、だがマルティアの思いだけは久美には見えたのだ。


『ありがとう・・・久美、負けられない!』


必勝の決意を持ってマルティアは戦いに挑む




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