第95話 レムリア大激戦

丙子椒林剣ヘイシショウリンケンと読みます、聖徳太子が使っていたと言う太刀で直刀、片刃の剣です。

同じ直刀の七星剣シチセイケンとならび国宝です。

先の朔の宮家に伝わる神代の剣として、今後朔耶が持つ剣と成りますが、明日出てきます。


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本文


クリスタルタワーの屋上付近にあるとあるロビー

そこには満足げに一服している健と、魂の脱け殻の様になった女達の躯と化した体が至るところに寝かされてあった…………


健達がタワーに来てから約5日、その大半は健による強姦で費やされていた……



「はー……もうそろそろ戻った方が宜しいのでは?皆が心配しているでしょうし……」



「うむ、余は満足じゃガハッ‼」


久美による後頭部への棍棒の打撃


「何が余は満足じゃよ!こっちはまともに立つ事すら出来ないじゃない!」


「戻るのはちょっと待っててくれないかな?僕も今力を使えない状態なんだ、主に健のせいで……

イシュタルもナンナもこの状態だしね」



「げ!白目向いてる……」



「後先考えずに行動するのは変わらないね健は……

でも……まあ良かったんじゃないかな?みんなこれで懐妊したみたいだし」


「え?嘘でしょ?何でそんなに直ぐに解るの?」


「言ったでしょ?魂の揺らぎが起こる事で大きく増えて行くと、久美、君の子は戻った時に移す事も出来るけどどうする?ここで産めば転位させる事は直ぐ出来ないよ?」



「それが出来るならそうして欲しいわ!置いて行くのは嫌よ!」



「解った、ではそうしよう、今無理だから後でね!」



「私達や子供は健様に置いて行かれるのですか?」


「そうなるけど子供が大きくなるまでは健は戻れないよ?そんなにヒョイヒョイ転位何て出来る物じゃないさ、それに僕は君達を転生させるから向こうで直ぐに逢えるさ、ただし君達が魂の揺らぎを大きくしとかないとそれは出来ないよ?」



「俺達を戻すのは向こうで何れくらい時間が経過した状態なんだ?」


「時間の概念何て物は君達が造り出した幻想だよ!」



「やっぱりな……俺達は転位した瞬間に戻る訳だ」



「それでも良いけど、健は戻った直後に崖下に落ちて彼の世って事になるけどそれでいいかな?」



「言い訳ねーだろ!」


「じゃあナンナの分身を見とれている辺りに戻してあげるよ」



「やっぱりそうだったんだ……」



真っ赤になっている陛下……


「あの……私も健様の子を宿せたのでしょうか?」


「僕は全員と言った筈だけど?」


泣き出すアンナ……初めてだ、アンナが嬉し泣きしている所何て……


「アンナ……お前……」



「私が……人並みに子を産める何て……ありがとうございます健様……」


「アンナ……何人でもつくってやる!何人でも産め!俺の子を」



「はい‼」



「僕達に出来た子は転生した時に君達が産むといい、健の力になってくれるだろう」



「私達は記憶を引き継げないのですよね?どうやって健様と巡り逢えるのですか?」


「君達風に言うと運命の赤い糸と言うのかな?予めカムの世界で設定されているんだよ。そうだね、ネタバレと言うやつを一つしてあげると朔はもう既に健の世界で結ばれていたりする。今は離れているけどまた元の鞘に修まるさ!」



「楓が朔か!」



「嘘!マジで?」



「健様が転位前に奥方にしていた方ですね?朔姫にしては心の狭い……」


「その時代時代で、流される物さ!だけど自我を取り戻せば自ずと過去の自分を取り戻す。

彼女はアプスだからね、今は自ら自我を閉ざしているんだ、彼らに正体を知られるのはまだ早い、健が力に目覚めてからじゃないとね、健の覚醒により自我を取り戻す様にしているんだと思うよ?

それに他にもまだ居るけどそれはお楽しみにしておこう。

さて整理しようか、、、

君達はこの後僕が地球に戻す、その後君達はマナの壺を取り返す。

そして君達の言う岩戸開きを行う、それは僕を健の元の世界に現出させる事だ。

その間君達は魂の揺らぎを大きくして健の世界で巡り逢える様にする。

その設定は僕とナンナ、イシュタルが行う、久美!君の役割は戻った時にこそ大きくなる。

君は健の子を産む事にある、君と健の子こそ僕になるのだからね」


「え?今私に宿った子が?」



「ここで産めば違う、でも君は戻って産む事を選んだ、自ずとそうなるね」



「どういう理屈でそうなるの?」



「君は僕と健の間に産まれた子だ、そして器は僕と同じなんだよ!僕を産む為には同じ器からでなければ魂の在り方が同じにならない。

君は唯一君達の世界で僕を宿す事が出来る者なんだ。君の役割は君の世界でこそ重要になる、この世界に君を呼んだのはその役割を知って貰う為に呼んだんだ。」



「そうだったんだ……」



「この世界での鍵を握るのはむしろナンナの分身である君達二人と朔、朔と健の娘である三人とイシュタルと健の間に生まれた君だルチル!岩戸開きを行うのは健と君達だよ!」



「マナの壺があれば出来ると言う訳ではないのですね?」



「マナの壺と言うのは望みを叶える神器、それを扱えるのはそれを造り出した者達だけだ。

つまり僕達だね、だけど僕は今現世でたいした力は使えない、この体ももう限界に近いんだ。生まれ変わるには相当な月日が必要となる、記憶を引き継いで生まれ変わるには相応の肉体が必要になるんだ。だから君達でやるんだ、マナの壺が手に入ったらここに持っておいで!その時に君達に使いかたを教えよう。それと後一人……」


「アマのイワトワケか?」


「そうだよ、アトランティスだ。健、そこからは君自信で見付けるんだ!いいね?」


「ああ、解った……」



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その頃、レムリア



「放てーーーー!」


「弓隊放てーーーー!」


現在の南極大陸にある大都市バスチアヌ、ここにラ.ムーレムリア連合軍対アトランティス、レムリア反乱軍の戦闘が繰り広げられていた。


「今だ!押し出せーーーー!」


「ラムダ将軍、私も一緒に!」



「駄目です!コトポニア王妃殿下はこちらに控えておいて下さい!もうすぐワルキューレ隊の応援が到着致します。敵にアスラ神軍が確認出来た異常彼女達の応援は必須!コトポニア妃殿下には対アスラの戦闘方法を彼女達に伝えて貰わねばなりません」



「く!わかりました、ご武運を」


「かかるぞー!」




アトランティス及び反乱軍6万に対してレムリア軍3万、そしてラ.ムー軍1万と数の上では圧倒的不利な闘いだった。

これはアトランティスが反乱軍側についたと言う事実に対して、貴族達がこぞって裏切り、反乱軍に着いたためである。

所がレムリア王家にラ.ムーが着いた事で寝返ろうとする者が続出したが、これをレムリア王家は拒否、反乱軍に荷担したものは一族郎党皆殺しにすると宣言、逆に王家に最初から従った貴族には戦後最大の温床を約束していた。

これにより数を覆す奇跡の膠着状態を見せていたが、なんといっても最大の功労者達はレムリアに残されていたジャーリア達だろう。

ラ.ムーがレムリア王家に着いた事を知ったジャーリア達はレムリア軍に続々集結していき鬼神のごとき活躍を見せていた。

これに押された反乱軍は対にアスラ神軍を投入、絶妙なバランスにより再び戦場は膠着状態に陥ったが業を煮やしたラムダがワルキューレ隊の待機部隊に援軍を要請、浮き舟でワルキューレ隊がもうすぐ到着予定であったのだ。


「浮き舟だ!ワルキューレ隊が来たぞーーーー!」


「ワルキューレ隊だ!これで安心だ!」


「コトポニア姫殿下、ルシア小佐以下ワルキューレ隊100、只今到着致しました」


「学園長殿まで起し頂く程の不始末、大変申し訳なく思います」



「緊急時です、お気になさらないで下さい。これでも一応軍人ですから、早速ですが我らワルキューレ隊はアスラ神軍を相手に致します。予めおおよその対策は総帥より頂いておりますが、誰が出ているのかをお教え頂ければ助かります」


「ヴリトラとヴィローシャナです、ヴリトラが青雲剣、ヴィローシャナが縛龍索と言う宝貝を使用します」



「確認しています、それだけの情報が有れば問題ありません」



「いずれも強大な宝貝ですが大丈夫ですか?」


「総帥から種も仕掛けも聞いております。それにこちらにはこの方もいらっしゃいますので」


そこにはラフィーリアタイプの成人したジャーリアがいた、名をフィリア、ワルキューレ隊特務隊小隊長をしている



「ラフィーリア様……」


「私はフィリア、先日ワルキューレ隊特務隊、第十二小隊隊長を任命されました。ですがラフィーリアの記憶も持ち合わせております、このレムリアの美しき大地、汚す者有れば修羅と化しましょう」


「心強く思います、よく……よく生きていて下さいました」


「では成敗しに参ります、フィリア!参りましょう」


「今ラムダ将軍が戦闘している地域、ここにアスラ神軍がおります。私も一緒に!」


「指揮官が本陣を離れてはなりません!私どもにお任せ下さい」



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戦闘地域


「では行くぞ、我が宝貝味わうといい!青雲剣、毒蛇の砲撃」


炎の蛇が猛烈な勢いで地を這う、数人の兵が飲み込まれ焼かれて行く


「おのれ化け物め!」


ラムダが切りかかるも


「縛龍索!」


金の紐が渦巻ラムダの剣を弾き、剣をも巻き込み対には折られる、そしてラムダ将軍に襲いかかる炎の蛇


突如ルシアの声が響く


「土魔法を!」


ザー!


乾燥した砂が巻かれ、蛇が消えた……



「何者だ!」


「ワルキューレ隊です、総帥からあなた方への伝言を仰せ使っています!総帥からの伝言です……死ね!」


「俺達をアスラ神軍と解ってて言ってるのか?なら対した度胸だ!たかがジャーリアの分際で」


「そのジャーリアにここまで押されているあなた方が言っても負け犬の遠吠えにしか聞こえません」



「ご託は良いからかかって来なさい、大佐、援護魔法を!」



「解りました、魔法特化隊!詩を」


「は~い、謡うよ~」


「私は魔力ね!」


「よろしく~!」


「参ります!」


特務隊が攻撃に出る、魔法特化隊が詩で援護する、ルシアの神代祝詞は戦場じゅうに広まった、鬼神のごとき神憑り的攻撃力を見せ出す連合軍


「青雲剣、毒蛇の砲撃」



フィリアが叫ぶ

「砂を巻け!」


「えい!」


魔法特化隊の土魔法により大量の砂が巻かれる


「な、なんだと?」


「オイル……と言いましたか……総帥からその存在を聞かされました。貴方の神代武器は剣先からオイルを打ち出す魔道具、それがあたかも蛇の如く打ち出され、それに空気との摩擦により着火、火を着けると……ですがオイルの天敵は砂、乾いた砂によりオイルを吸わせ、除去消火を行う事で燃焼物を取り除いてしまえば貴方のそれは切れ味の悪いナマクラに成り下がる」


「ならお前のナマクラを叩き折ってやるまで!縛龍索!」



キン!

フィリアの剣が縛龍索を弾く



「バカな……何故巻き取れない⁉」


「貴方のも総帥はとっくに見抜いています……永久磁石、私の剣は鉄ではありません、アルミ合金、総帥が対アスラ用に造った剣です。貴方の磁石にはくっつきません」



状況が有利に運んだ事を確認したルシアが見下す様に言う

「私達ジャーリアにとって総帥のお言葉は神にも等しきお言葉、貴殿方の死は絶体です。冥土の土産にお教えします、ここにいる特務隊10人はこのレムリア軍に応援するために総帥が特別に編成下さった部隊。この者達10人のジャーリアとなる前の名前は……ラフィーリアセナミシェルレムリア、総帥に仇なす者は許さない!」



「まだラフィーリアの生き残りが……ぐはぁぁぁ!」


フィリア達の体が消えたと思いきや、アスラ神軍達の体に四方八方から剣が突き刺さる……


「アスラ神軍を打ち取ったり!ワルキューレ隊がアスラ神軍を打ち取ったり!」



大声で叫び、ワルキューレ隊は味方の援護をしだす、アスラ神軍が打たれた事による動揺で総崩れをしだす反乱軍、最早勝敗は決した。

バスチアヌ攻防戦はレムリア軍に軍配が上がり、南極大陸の覇権はレムリア軍に戻った。

ワルキューレ隊のここでの任務も同様、ワルキューレ隊の恐ろしさを徹底的に見せつけろ‼

任務を果たした隊員達であった。


その頃朔耶はアトランティスの天空人、エルザとポールの二人と激しい戦闘を繰り広げていた。



「ヘイ!エルザ、そっちに行ったぞ!」


「解ってるわよ!ポールこそ真面目にやりなさい!」


「しかし厄介な魔法だぜ!神道魔法ってのは、アイギス!」


朔耶は天空人二人と互角に渡りあっていた、ルシアの強力な神道魔法に加え、スサノオの系譜が本当だったと言う自信が朔耶へ大きな力を与えていたのだ。


「この間より随分強くなったじゃない、ジャップの癖に生意気な!」


「手を抜いてあげてた事も気付かないなんて、イギリス人てのは随分と能天気みたいね」


「シャラップ!トライデント!」


津波の様な水が朔耶を襲う



「アグニ!」



アグニが水を蒸発させる、その水蒸気の中から朔耶が斬りかかる


ガン‼



「ちょっと焦ったけど、そのナマクラ剣ではこの神代鎧は貫け無いようね‼死にな!ジャップ」



ザッ!


朔耶の腕が微かに切られる



「ツゥ……」


血が左腕から滴り落ちてくる


『駄目だわ……この剣じゃあいつらの鎧にキズ一つ付けられない!神道魔法で動きその物は越えられてもフォルムは互角、武器が……』


「ジャパニーズレディ、降参して僕の妻になるといい」



「誰が!私の心も体も全て健兄さんの物よ!」



「なら仕方ないね、このアダマスで首を跳ねてあげよう!」



剣で防ぐも折られてしまった


「駄目!兄さん‼」《ルビを入力…》

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