第59話 女の意地

ここだな、まだ兵がうじゃうじゃいやがる


「ブローマ、これだけ相手がいれば下手な小細工は焼け石だ、一気に行くぞ」


「解った、兄貴は姉御達を、救出に行ってくれ!俺が奴等を引き付けておくよ!」


「解った、プレゾールは俺が殺りたい所だが、お前にやるよ……仲間の敵をとれ!」


「恩にきるぜ、兄貴」


「行くぞ‼」


そして俺達はお堂に向かい、突っ込んで行く、敵がこちらに気付き迎撃に来た


「オラッ!死ねや‼」

フォルムで敵を焼き尽くす、この時の俺は普通のフォルムを放つだけなら頭の中でパスを繋ぐだけで打てる様になっていた。


「兄貴‼」



「解ってる、後は頼んだ!」


俺は背なかの剣を抜き切り刻みながら走る、そしてお堂の入口を見つけた!


「何をやっている!早く捉えなさい」


「しかしプレゾール様、あのもの正に鬼神が如き強さ、我らでは手に負えません」


「よう!三流貴族のゴリライモ、随分と舐めた真似してくれたじゃねーか!」


「う、うぅぅるさい、帝も桜も元々私の物だ!お前が勝手に横から掠め取ったのだ!返して貰うに何が悪い!」


「わりぃがゴリラ語は知らねーんだわ……今テメーをぶっ殺してもいいんだが……」


後ろからこっそり切りかかって来た奴を


「シヴァ!」


完全に凍らせた、そして殴って砕く


「こんな風にな……だけどお前をどうしても殺したいって弟分が言うもんでよ……他の奴等は手を出さなきゃ見逃してやる、特に女はな、黙ってそのお堂に俺を通せ」


俺は前に足を進める



「早く殺せ!何をしている!あいつをお堂に入れるな!」



「冗談じゃないわ!あんな化け物なんて聞いて無いわよ、私は降りるわ!」



「俺もだ、妻達や子供が俺の帰りを待ってるんだ!」


「皆逃げたな……しょせん金で雇った兵なんてこんなもんだ、お前の敗因は最初に自分の家臣をアスラにぶつけた事だ、アスラ族は強い!騙し討ちしようがお前直属の家臣を片付けたんだろうな……

だからお前の兵は傭兵しか居なかった」


「ひぃぃぃぃ!」


プレゾールは逃げ出す



「どこへ行く、お前を弟分に殺させるって言ったろ」



俺はプレゾールの両足を凍らせた



「助けてくれ!金ならいくらでもやる、女か?女もいくらでもやるぞ?」


「ぐらっとくる申しでだが……却下だ!時期に弟分がここに来る、それまでそこで凍ってろ」



そして俺は扉に向かって走る、扉を開けようとすると


「開けないで!」


陛下の声だ


「何でだよ?助けに来た……」



「見られたく無いのじゃ、今の妾達の姿を……他の誰に見られたとしても、主人様にだけは見られたく無いのじゃ……」


「健様、誤解なさらないで下さい、貞操は守りました……私も母上も……ただ……今の私の姿は……」


「何となく解る……でも無理だ……俺は入る……そこにナンナと桜がいる、この手に早く抱き締めたいと思ってた二人が扉の直ぐ前にいる、我満出来ない」



「どうかお願いじゃ……このように汚れた姿を……」


「どうだろうと桜は桜だ!ナンナはナンナだ俺の大切な宝にちげーねーんだ!」



バン!



そして俺は全裸に剥かれた二人とその足元に広がる光景を見た


そして……


「何だよ、もっとえらいことに成ってるかと思ったら、気にする程の事でもねーだろ?」


「なっ!そっ……」


二人は俺のその反応に面食らって目をパチパチさせている


「お前らマダマダだな……」


そして俺は勝ち誇った様に二人を見下ろし


「天空人を舐めるなよ?これはな、俺達天空人の男に取って、ご褒美と呼ばれる物だ!」



「ご褒美はこれではないじゃろ?久美も……」


俺は人さし指を左右に振り、チッチッ!とやる


「そうじゃない、それほど価値があると言うことだ、俺達天空人の男はな、絶大なる奉仕を女王様にすると、ご褒美としてこれを女王から頂けるんだよ!だから言わばこれは命がけでお前達を助けに来た俺へのご褒美と言うことだ‼解ったな?」



「天空人様は……その、凄い物がご褒美になるのですね……で、、ですが……大変申し訳ありませんが……これを健さまにご褒美としてお渡しするのは…………」


「仕方ないな……なら帰ったらご褒美としてたっぷりと俺の息子を可愛がって貰おうか」



「それならばよい、これは流石に妾も嫌じゃ……」



「兄貴‼」



「ブローマ、わりいがこっちに入らないでくれるか、それとここには念話妨害の結界が張られている、アンナをここに来るように呼んでくれるか?それと二人の着るものも持ってくる様に」


「解ったぜ兄貴、姉御達は大丈夫なのか?」


「ああ、心配するな」


誤解の無いように言っておく、流石に俺もそこまで上級者にはなっていない、これはあくまでも二人の気持ちを和らげようとしたデマだった。


そして俺は二人を強く抱き締めて

「俺の為によく耐えてくれたな……もう二度とこんなヘマはしねー、俺がどんな時でも必ず守る」



「守られてばかりは嫌じゃ……」



「そうか……なら俺の為にいつも笑顔でいてくれ、それが俺の力になる」


「はい!」

「お安いごようじゃ!」


アンナが来たので二人をアンナに任せ、俺はプレゾールの様子を見に言った


「ウギャー!何をするー!私ははっ伯爵だぞー!」


「そんなもん俺は知らねーな?、俺はアスラ族だ、お前が何だろうと知らねーよ!」


「何だよブローマ殺らねーのか?」


「兄貴、こいつもし、シオンに連れ帰ればどうなる?」


「ん~良くわかんねーけど、多分極刑には成るだろうな?」


「生温いは!一族郎党火炙りじゃ!」



「マジか!って桜、大丈夫か?」



「うむ、激戦区での裏切り、味方を全滅に追い込んだ罪、これだけでも充分に火炙りじゃが更に帝と妾を拉致し凌辱しようとした!当然の報いじゃ!」


「やっぱりそうか、桜の姉御!俺こいつシオンに連れて行くぜ!家族を目の前で殺される思いをこいつに味会わせてやりてー」


「良いじゃろう、お主には特等席で見せてやろうのう!所でブローマよ……」


「何だ?桜の姉御」



「その姉御と言う呼び方何とか成らぬか?」



「兄貴の嫁さんなら俺にとって姉御だよ、間違ってねーだろ?」



「うむ……」



「構いませんよ、ブローマ様のお好きなようにお呼びください」



「おう!解ったぜ帝の姉御」


「お前その理屈なら、シャチーも姉御になる事忘れてねーか?」



「何!そ、そうか……兄貴‼どうしよう?」



「知るか!」



何処までも馬鹿なブローマだった



俺達は砦に一泊、その後シオンに帰還した、プレゾールの一族は火炙り、ブローマの望み通り一族が先に火炙りになる所をプレゾールは見させられ、最後にプレゾールが刑を執行された。

俺の案でプレゾールは全裸に、M字開脚でケツから火炙りにされた、プレゾールよ……安らかに眠ってくれ!


そして各地のジャーリア達がシオンに集結、ルシアの言う通りムー各地でジャーリアの反乱が起きた、俺達はその反乱を助けるために、ワルキューレ隊の設立を急ぐ事になる。


だが残念な事に、ジャーリア達でまともに戦闘に耐えられる者達は少なかった。

リクギ達の悪政で、大人のジャーリア達は皆命を落とし、200才以上のジャーリアは数える程しか居なかった。

やむ無く年齢条件を150以上に定め直し、要約1000人となった。


「健殿、話が有る」


「どうした?マルティア、てかセレスティア達まで」


「私達全員、健殿の側妻にして頂きたい」


「んな!そそそりゃお前達なら全く問題無いけど『また罠か!こんな都合のいい話が』どどどういうつもりだ?」


「そうか!良かった、実は私達には嫁の貰い手がなく、士族になるしか無かったのだ。だが健殿は我らの着替えや風呂を覗いたり、下着を盗んだりと、我等に性欲を抱いている様に見えてな?セレスティアに聞くとその様な事今までに何度も合ったと言うではないか!ならば思いきってと……」



真赤になりながらモジモジと言ってくるマルティア……バレてる……


「ちょっと待て!お前らに嫁の貰い手が無いってどう言うことだ?お前ら目茶目茶美人だぞ?」



「その様な事言って下さる殿方は健殿だけです!」

近衛の隊員の一人が言う


「しんじらんねーな?マジかよ!お前らの何処に持てない要素が有るんだ?」



「やはり天空人様達とラ.ムーの殿方では美的間隔が若干異なるようですね」


「どう言うことだセフィリア?」



「私達の共通点に気がつきませんか?特に身体的特長に……」



「ああ……でもたったそれだけでかよ?……まあこの世界の男女の出生比率を考えるとそうなるのか」



「そのたったが殿方には大きな問題となるんですよ」



簡単な説明だが、彼女達は大柄なのだ、そして身体ががっしりしている、調度バレーボールやバスケットボールの選手の様な感じだ。だがそれだけだ、気になるような事では全くない、よって俺は彼女達を貰った



そして俺は新たなるワルキューレ隊の階級を作った。


総帥、俺

軍事顧問、朔姫

近衛大将、久美大将

特務大将、マルティア大将

魔法特化隊大将、ナーナ提督


近衛中将、セーラ中将

特務准将将、セフィリア准将

魔法特化准将、セレスティア准将


近衛隊隊長、パティ大佐

特務隊隊長、アンナ中佐

魔法特化隊長、ルリナ小佐


近衛隊中隊長、ラフィーネ小佐

近衛隊中隊長、リーア小佐

特務隊中隊長、アマリア小佐

特務隊中隊長、マリーダ小佐

魔法特化中隊長、ルナ小佐

魔法特化中隊長、ルチア小佐



教育機関として

特別魔法学院ワルキューレ学部

学校長、ルシア小佐

学部長、ルチル准佐

学園講師、リリ大尉、ルララ中尉、ルル中尉


内務官として

シエラ中佐



以上が設立された

また近衛の10人は各少隊の隊長、副隊長クラスに皆抜擢された



またワルキューレ隊とは関係無いが、俺は農業関係も整理を始めた。

農業に現在あるギルドを通さない、国営の管理組織を設定、ギルドも監視下へ置いた。

当然ギルドから猛反発を食らうが、戦にて穀物の値段が上がり、インフレ状態にある現状打破をどの様に行うのか政策を提示させた。

結局ギルドから上がって来た案は農奴を増やして人海戦術でとの案しか出てこなかった。

ここでミーシャが恐るべき手腕を発揮した。

ミーシャはギルドへの管理運営費内訳書の提出を求めたのだ。

同時に農家の500年にも及ぶ穀物税の納付記録を出させた。

ギルドの提出した運営費と納付記録を照らし合わせ、管理費が10年ごとに割り増されてる事を見抜き、国が認めていない上納金水増しを発覚させギルド廃止まで追い込んだ。

ここでミーシャは廃止されたくなくば、ギルドを国営とすることで存続させる案を起用、ギルドを国営にした。

正直俺はミーシャのえげつなさに脱帽した、ギルドが中抜きをしているなど普通にある事だが、国が認めていないと言う一点を突くなど普通思い付きもしない。

いつもの寝惚けたミーシャは可愛いが今回のミーシャは恐かった。

俺はギルドをミーシャとセナに任せる事にした。

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