三輪さん家のペット(その1)


 田舎と呼ぶには田んぼは少なく。都会と呼ぶにはビルが無い小さな町。

 何かあるとしたら私が生まれるずっと前から存在するらしい大木が植えられている神社だけだ。決して有名とかそういうものじゃない。小さな神社。


 私―三輪明美はどこにでも居る普通の高校生だ。特別なことは何もない。ごく普通の家庭に生まれ、普通に生活を送っていた。

 ....はずだった。

「なぁなぁ。ご飯まだ?」

 リビングから青年の催促が聞こえてくる。

「もうちょっと待って!もうすぐ出来るから!」

 私は台所で料理をしながら大きい声で話す。

「はーい」

 青年は呑気な声で返事をした。


「はい。お待ちどうさま」

 私は料理をリビングの机に並べる。

「お!今日はハンバーグだ」

 青年は目の前に出された料理を見ると箸を持ち喜んだ表情をする。

「いただきます」

 手を合わせ青年はご飯を食べ始めた。


 私の家族は私と父、母そしてペットの犬が一匹の四人家族だ。もう一度言う、私の家族は四人家族だ。

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