ゲート~最強最弱な君と僕~
リサは呼吸が早く、肩で息をしていた。
「敵が見えなきゃ....戦えない!」
リサはそっと木の陰から顔を出し辺りを見ようとするがすぐさま銃声が響き渡る。リサの木に当たり弾はハズレたがさっきからこの調子だ。
動こうにも動けない。敵はこちらを見つけているがこちらは敵の姿、能力、場所、何一つ分かっていない。敵の場所が分からないからクロも役には立たない。ずっと木の陰でうずくまっている。
「少しは役に立つ気はないの!」
リサは舌打ちしてクロに怒る。
「だ、だってこんなの暗かったら見つかりっこないよ」
クロは頭を抱えて涙目になる。
リサはそっとクロに近づき腰に下げてる剣に手を伸ばした。
「り、リサさん?」
クロはゆっくり後ろに後ずさる。
無言で近づいてくるリサからは殺気にも似た覇気が伝わってくる。
「な、なにを....」
クロはどんどん下がるが木にぶつかりこれ以上は下がれない。
リサはクロの前で立ち止まった。
クロは震えながらもリサを見つめる。
リサは剣を抜き、抜いた勢いのままクロの首目掛けて横薙ぎをした。
「・・・」
剣は首のギリギリのラインで止まっている。クロも止まっている。
「これなら出てくるでしょ。シロ」
リサは剣を戻し気を失っているクロに話しかけた。
「死にかけたら出ると言ったが、仲間に殺されかけるとは思わなかったよ」
クロ、いやシロは体をお越し立ち上がった。
「お前なら役に立つでしょ。手伝いなさい」
「手伝うって何を」
シロは体をほぐしながら聞こうとするとシロの立っている木に銃弾が当たった。
「スナイパーか」
シロはすぐさましゃがんで弾が飛んで来た方を見る。
「そうよ。さっきからこの調子なの」
「無理だな」
シロは木を壁にして寝そべった。
「む、無理って!」
シロの態度に驚くリサ。
「夜戦でスナイパー。しかも敵には俺らの場所が分かってるのに対して俺らは敵の場所すら分からない。これじゃ打つ手がない。」
―攻められない。とシロはリサに説明する。
「確かにそうだが。どうにかしなければ私たちは寝ることも出来ないぞ」
「だから逃げるしか無い」
「どうやって!」
「お前の能力はリスクがでかいが最強だ」
「急に何の話を…」
「俺の能力はお前の完全版って話だ」
「は…?」
リサは首を傾げた。
「飛ぶぞ」
シロの声と共にリサとシロはさっきまでとは居た場所が違う。森の中に居たのに一瞬で洞窟に移動していた。
「これは!?」
リサは驚き辺りを見回す。
「これで敵は見失って、俺らは寝れる」
「どうやって…」
「俺の能力は
シロは体を横にして寝る体勢に入った。
「ここまでとはさすがだな」
リサはシロを見つめた。
「いいから寝るぞ。俺は眠い」
シロとリサは洞窟の中、静かに眠りについた。
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