ゲート~最強で最弱な君と僕~

 先輩は空中に浮かび驚いたように目を見開き、その口は笑っている。


「はは、今年の一年生は最高だな。これは僕も少し本気を出そうか…」


 先輩の方に風が上がっていっている。その風を右手に集めているのか手のひらには小さな風が渦巻いている。


「先輩だけが風を使えると思わないで下さい!」


 サラは剣を構え剣の周りには風がぐるぐると回っている。


 サラも風が使えるのか!?

 僕は驚きを隠せなかった。それは先輩も同じのようだ。


「驚いたな。火だけでなく風も使えるなんて…二つ以上の能力持ちなんて聞いたことがない」


「それはどうも」


 二人はにらみ合い、相手の出方を待っている。ほんの些細な瞬間も逃がさないかのように緊張が走る。二人は徐々に距離を詰め、ここだ!と仕掛けた。


「ストームバレット!」

「吹き荒れろ!」


「壁」


 二人の風の技はぶつかろうとした瞬間、その間に大きな壁が出現した。


「これは!?」

「?!?!?」


 二人は驚き後ろに退く。


「これはどういうことだ。ソヤ」


 僕らよりも高い背中は山のように大きく見上げた。誰だ?


「誤解だよ。大和」

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