告白


 僕はこれから生まれて初めての告白をする。


 彼女と面と向かって、目を見て、恥ずかしがらずに噛まずに絶対言うんだ。


 何回も練習した夜を思い出す。想像するだけで顔が熱く、鼓動が早くなっていった。


 彼女が来た。僕は笑顔で迎えた。


「話って、なに?」

 彼女が首を傾げて僕に聞いてきた。


「そ、それは」

 (あーもう何でそんなに可愛いのその顔だけで僕は死にそうだよ。可愛いよ!ズルいよ!反則だよ!)

 心の中の僕はとても元気だった。彼女は心の中でこんなに喋ってるとは思わないだろう


「僕は…」

 言おうと思ってた言葉が出てこない。好き…たった二文字を言うだけなのに緊張する。いますぐここから逃げ出したいくらいだ。僕は一呼吸して彼女を見る。


「好きです」

 彼女の目を見て噛まずに言えた。それだけで今日のノルマは達成だ。


「それで?」

 彼女は不思議そうな顔をして聞いてきた。


 僕はえ?と言う顔をした。それで?と言われても…


「私のことが好きなのは分かったけど、それで私とどうしたいの?」


「どうって…」


「じゃあ、明日までの宿題ね」

 彼女は僕の前を歩いきながら言った。


「し、宿題って、明日とか急すぎない!?」

 僕は慌てて彼女に聞いた。


「ダーメ、ちゃんと明日聞かせてね?」

 彼女が小さく微笑んだ。


 夕日を影に笑う彼女がとても綺麗で愛しかった。頬が少し赤く見えたのは夕日のせいだろうか?

 

 僕は彼女の所まで歩いていった。


 そういえば、彼女は僕のことをどう思ってるんだろう?明日、ついでに聞けば良いか…

 

 僕はそんなことを考えながら彼女と夕陽を後ろに帰っていった。


 

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