第三章『 泥中之蓮 』
「 " 女王陛下 " 」
――― 翌日、
「 そうだ、
「 今朝、海で拾って来たんだ。貰ってくれる? 」
「 はい…!もちろんです!ありがとうございます……!」
「 昔は、白い貝殻は魔除けだったって話を思い出してさ。本当に効くのか判らないけど、お守りに。」
「 お守り…… 」
「 今日はそのままだけど、今度、身に着けやすいように どこかで加工してもらおう。 」
「 はい…!大切にしますね! 」
( 白い貝殻……そういえば、夢の中の男性も白の
夢の記憶を思い出した
「 ? ――― 何?どうしたの? 」
「 いいえ、何でもありません…! ――― 今朝も、海にお散歩に行かれたのですか? 」
「 うん。昨日の雨で 海水はちょっと濁ってたけどね。 」
彼女は、また直ぐに貝殻のほうを見つめ始めてしまったが、嬉しそうな様子なのは明らかなので
「 新しい女官の方ですね? どうぞ中でお待ちください。 」 ――― 謁見の間の扉の前に立つ、若く麗しい男の武官が
「 それじゃあ、
「 はい……! 案内してくださって、ありがとうございます。 」
「 何かあったら大声を上げて逃げるんだよ? 」 ――― " 俺が救命処置の話をした時みたいに "・・・と、言いかけて彼は言うのを止めた。
「 はい…! 」
―――
( どうか、
暫く待つと、
「 あら…?
「 はい…! ―――
「 まあ! これは嬉しいご縁ですわ! お元気でしたか?
「
「 ウフフ…♪ 先日ちょっとね! でも、そのお話は後程 お話しますわ。 ――― さあ、皆さん まずは 女王陛下をお待ちしましょうね! 」
――― また 暫く待つと、女王の入室を知らせる鈴や鉄琴の音の様な高音が鳴り響き、入り口に居た者とは別の二名の若く麗しい男の武官を引き連れて
女王は人前に出るのが嫌いではあるが、人前に出ると分かっている時には必ず彼女の自慢の脚が見える衣に身を包んでいる。
そして、今日も女王の装束の色は黒である。
「
「 いいえ……私のほうこそ、驚かせてしまって申し訳ございませんでした。 」
「 分からない事は、何でも そこに居る
「 はい…! 」
「 あなたの事を 今から "
「 はい…! 」
「 私の事は " 女王陛下 " と 呼んでね? ――― 皆、
「 ……はい…! 」 ――― 先日、名前で呼んでしまった事を思い出し、
出会った人達や、即位式で見かけた人達は「
「 じゃあ、
「 え…? 女…女王陛下。 」
膝まづいたまま自分の事を女王陛下と呼ぶ
( ? ――― 今の最後のは何だったの……? 呼び方の確認…??? )
「 さあ、
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