「 白夜と桔梗 」
「 原因はあなたよ!! あなたがハッキリしないのが問題なのよ!! 」
「 ハッキリしてるだろ!? 俺が好きなのは君だって何度も言ってるじゃないか!? 」
食器洗いの手伝いを
「
「 そんなのは その時にならないと分からないわ!! 」
「 あのー……」
突然、
「 お邪魔してしまい申し訳ありません!!先生のお手紙の紙が足りなくなったので取りに来たのですけど…あの…そこ私のお部屋の前なので…… 」
「 ……!? 」 「 ……! 」
廊下を移動しながら口論する内に、
「 ごめんね ――― どうぞ、
「 は…はい!私こそ、ご…ごめんなさい!! ――― 失礼します! 」
気まずそうな
「
「 あの娘は まだ十四歳かもしれないのでしょ? そのような相手がいなかったらどうするの!? ――― あなた、あんな良さそうな娘に不誠実な事をするつもり!? 」
「 君、言ってる事が無茶苦茶だよ? 俺にどうしろと!? 」
「 だって……!あなたの事は…大好き…だけど、私も この国の生まれだからそういう考え方だってするわよ……。あなたの
「
「 先生… そんなに沢山 何を書いていらっしゃるのですか? 」
「 ん? 今 書いてるのは
( やっぱり、先生も どなたかと似ている……? ――― それとも、私は以前も どなたかと一緒にお手紙を書いた事があるのかしら……? )
「
「 はい! 自分でも驚きましたが、思ったまま文章に書き表せられます。 」
「 そうか……、その辺の記憶はしっかりしている様じゃな…?生まれもリエン国の可能性が高くなって来たのう。」
同時に
息子がどちらかを選ぶ時 ――― どちらか片方は・・・選ばれなかったのが桔梗であれば、彼女は傷付いてしまうであろう事を
「 心の傷もサッと治療出来たら良いのじゃが…… 」
「 ? ――― 心の傷…? 」
「 独り言じゃ! ――― お主は、そのまま誰が相手でも、何の話でも良いから手紙を書くのを続けるように!文字を書くのは脳に良いと聞くからのう。 」
「 はい! 」
「 なんか凄い紙の山だけど、二人で何やってんの? 」
「 ん? ――― 別に何でも無いぞ? 」
「 お手紙を書いております…! 」
「 ああ、そうだったね ―――
( やっぱり、
「 あの……
「 !? ――― ああ…えっと、風呂に入るって! 」
「
「 うん。 ――― 今、本人と約束して来た。 」
「 なら、
「 いいよ? 」
「
「
「 ふーん…
――― 翌日 ―――
今朝は霧が出ており、白く冷たい薄霧が二人の姿を包み込んでいた。
「
「 いいのよ、お父様がまだ家に居たら あなたの家に泊まった事を怒り始めると思うから……――― あなた、お父様に自分の剣で斬られかねないわよ? 」
「 じゃあ、これを ――― 父さんからの手紙。 」
「 帰ったら読んで? 」
「 ……
薄霧に包まれた
「 ええ。 ――― でも……あなた達の所に顔を出すのは もう少し気持ちの整理が付いてからにするわ。 」
「 うん、それで構わない ――― 俺のほうが会いに来るから……手紙の返事も必ずする…! 」
「 ええ、楽しみに待ってるわ! 」
――――――
別れ際に
それは、最終的にどちらの女性を選ぶのか分からなくなって来た
( 確かに、あなたの態度はハッキリしているわね…―――
霧で薄らいで行く
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