第二章『 蓮の糸 』
「 水の中の宮殿 」
「 へぇ…――― あなた記憶を無くしたの? まだ 若いのに大変ねぇ! 」
―――
片脚は義足で、医師らしく清潔感のある彼女は
リエン国の女性の結婚適齢期を少し過ぎた婚期を逃し気味の独身女性で
名前と色気の漂う喋り方から 美しい女性を想像されがちだが、至って平凡な容姿の医師である。
「 でも、若いから男なんて何とでもなるわよ! ――― あたしにも若さ…若ささえあれば……! 」
自身が結婚適齢期を過ぎている事を気にしてか、机の上で拳を握り締めるとブツブツと呪文のように何か言い始めた
二十代後半の年齢と思われる彼は、 " 医局長 " ――― 医院長と医師達を繋ぐ
三人と一緒に暮らす事は無いが、
今日は
「 この
「 でも、この仕事 超暇だし?
「 ……先生、お言葉をお選びになったほうが ――― 」
「 ありがとうございます…!
「 医院長なのに暇じゃとな? 」
「 だってぇ、あたしは こないだから
「 戦争もして無いし、
ああ!!どうせ医院長になるんだったら
「 先生、お気持ちはわかる……わかりますが…… 」
「
「 うむ、いろんな意味で あの者が 一番 医者に診てもらう必要がある気もするがのう。 」
――― 医院からの帰り道、
宮中は、
道の脇や、建物の壁などに沿って設置されている石を削って作られた水路に
海に近い王宮内は、
( ――― なんだか、落ち着く…… )
この宮中の雰囲気を
(
―――――― それは
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