十五センチの可能性

作者 愛宕平九郎

110

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★★★ Excellent!!!

国際空港で、店舗のカウンターに「自由にお取りください」と、折り紙の鶴が置いてある光景を目にします。
異国のかたからすれば、折り紙とは珍しさと驚きの、和の技術なのでしょうか。
今作は、その折り紙創作家の若者の物語です。
とても丁寧な、そして細やかな描写で、折り紙と過去の思い出が語られています。
エンディングでは、「なるほあ、こうきましたか!」と思わず唸ってしまいました。
決して自己主張は強くないながらも、キラリと光る珠玉作です。

★★★ Excellent!!!

コミュニケーションが苦手などの理由で通常のクラスに馴染めない児童が集まる特別学級。
主人公の陽平は、そこでライフワークとなる折り紙と、車椅子に乗った一人の少女に出会います。
少女と言葉を交わしたのは数えるほどですが、その彼女とのやりとりが陽平をさらに奥深い折り紙の道へと進ませます。

アートマーケットで陽平と出会った小さな女の子が彼のそんな過去の記憶やしこりを思い出させますが、その次の瞬間、彼が心のどこかで望んでいたであろうあの少女との再会の可能性が訪れて――

流れるような文章にのせて、穏やかでちょっぴり切ない記憶と、ほんわりと光る小さな希望が心に届く物語。
折り紙のように繊細で奥深い人の縁に思いを馳せたくなります。

★★★ Excellent!!!

短編とは思えない内容の詰まったお話です。
主人公の一人称視点で進行する物語は、彼の記憶と現在の心境を一層引き立てる構成です。無駄のない文章は作者様の文筆力を強く感じました。感情や風景の描写は自然と読み手を魅了させるでしょう。

一人の生き様を一瞬のうちに紐解いた感覚。ラストの物語の締め方はセンスの塊と言わざるを得ない。

読み終えた後の独特な感覚は一級品です。

一読の価値あり間違いなしの作品でした。

★★★ Excellent!!!

折り紙という小さなアイテムがキラリと光る正統派短編。

「ラストの親子はもしや?」

願わくば、主人公が想うとおりの存在であって欲しいと……。
気づくとそんなことを考えてしまうほどに、引き込まれてしまったのは、
作者さんの技量の為せる技でしょう。

タイトルからオチまで憎い、読後感のよい作品をみなさまもぜひ!

★★★ Excellent!!!

尻尾のない柴犬の折り紙。
それに込められた少年の純真な真心と、その柴犬を届けたかった少女。
時を経て大人になり、二人のその後は――。

人の温かさと、切なさと、仄かなユーモアと、それらすべてをひっくるめた人生の滋味を堪能させて頂きました。
お若い方にも読んでその滋味を感じてほしい、そう勝手ながら願う素敵なお作です。

★★★ Excellent!!!

折り紙というテーマを軸に、過去の切なさと現在の状況、そして未来への可能性を見せてくれる物語です。

作中で折り紙の豆知識を絡めつつ物語が進むのですが、その書き方も過不足なく、作者様の折り紙への造詣の深さをうかがわせます。

そして読者の数だけ続きがある、余韻の残るラストシーン。

完成形に至る工程をイメージできない、繊細な折り紙のように、隅々まで行き届いた気配りを感じさせる名作です。

★★★ Excellent!!!

15cmの折り紙に込められた思いは届いたのか
読了後に全ての読者がそれぞれの解釈ができる
そんな素敵な物語です。

主人公の少年が折った折り紙が、病身の少女に届いたのか
それすら曖昧なのに、大人になっても自分の折った創作物を
覚えている。そんなに打ち込めるものがあるって素敵ですよね。

自分から興味を持ったものは、続けているといつしか
人を感動させるものに仕上がるのですね。

一枚の折り紙がつなぐ時間と人生、物語のその後を感じさせる
読了感でした。ありがとうございました。

★★★ Excellent!!!

折り紙に対する作者様のこだわりが発揮された描写はとてもリアリティがあり、感嘆させられます。
そして折り紙がもたらした出会いと別れ。
その短い期間の主人公の努力に、想いが詰め込まれています。
ラスト、触れ合いそうで……その隙間から生まれる余韻がまた格別な読後感を残す作品。
オススメです!

★★★ Excellent!!!

主人公の過去の思い出を軸にしながらも、今へと繋がるストーリーの運び方が実にスマートで、それでいてしっかりとボリュームのある描写。
鍵となる折り紙の使いどころも印象的で、それがラストに向けて読者の想像を掻き立てつつも…

ちょっとほろ苦いけど、どこかほっこりと心が温まるストーリー。
まだお読みで無い方は、ぜひご一読を!

★★★ Excellent!!!

折り紙についてとてもよく調べてあり、楽しみながら、そしてしきりに感心しながら読み進めていきました。

折り紙の製図や紐解く知識について、丁寧な描写で小学生の彼が一生懸命「あずきちゃん」制作に取り組む姿が目に浮かびます。

大人になった最後は、期待させる展開にどうなるかとドキドキしましたが、こうきたかー、と独り言を思わず漏らしていました。

従兄弟の姉妹キャラいいですね。
登場短いのにインパクト強くて好きでした。

折り紙のエール、とても素敵なお話でした。読ませて頂きありがとうございます。

★★★ Excellent!!!

折り紙の奥深く繊細な世界と同時に描かれているドラマが静かに心に染み入ります。

出会いと別れ…始まりと終わりが彩る現実世界の中に、折り紙が見せてくれたひとつの『可能性』は、読んだ瞬間鳥肌が立ってしまうほどに美しく心を打つもので、読後感の心地良さもまた印象深いです。




★★★ Excellent!!!

折り紙を器用に折る青年の物語から始まる15cm企画です。

15cmの正方形である折り紙から読者の目を引き、希望を残すラストがとても読後感がよかったです。

折り紙の可能性、たとえ今日会えなくてもまた会える機会は来る、うまい具合にシンクロし、作者の心持ちまで伺える作品です。

是非、ご一読を!(^◇^)

★★★ Excellent!!!

人とコミュニケーションを取るのが苦手な陽平は折り紙にのめり込み、どんどん上達していく。
その中で、陽平の折り紙に興味を持った牧野さん。折り紙が二人を繋ぐが、ある日を境に二人は離れて……
折り紙という題材、友情とも恋ともつかない淡い昔の想い出。
そして、今……
確かな文章力と、みんなが体験するかもしれない、ありえるストーリー展開が、自然に読者を引き込みます。
ラストは、ほどよくぼかされて、そこに「もしかしたら……」の期待が込められているのが、とても良かったです。
ただ短い文章ではなく、中身がぎゅっと詰まった素晴らしい作品でした。ありがとうございました☆

★★★ Excellent!!!

折り紙から始まる作品です。折り紙だけに、繊細で、途中でどうなっちゃうんだろうというドキドキがあり、ラストでやっぱり繊細で素敵な作品だなと思いました。とても繊細な15センチ、素晴らしかったです!

★★★ Excellent!!!

「折り紙」を通して描き抜かれた「既視感」。

灯台下暗しとは、まさにこの事ですね……。まさかこの様なテーマがあったなんて。

まず本作のテーマとしている「折り紙」分野の物語に初めて出会いました。そしてそれを、どの段階まで表現してくるのか目を見張るものがありました。そんな期待も裏切られる事なく、専門用語も口説く無くて適度に散りばめられており、子供目線の「折り目が伸びる」描写に懐かしさを感じながらサッパリと読み終える事が出来ました。度合いが読者に与えるイメージの大切さを改めて感じさせられました。正に作者様のセンスとしか言いようがありません。

そして、レビュータイトルにありますリアリティー。
本作品は、物語全体の波を強く評価したい一作でした。

皆様方も、是非御一読を🍀

★★★ Excellent!!!

二十年もの長きにわたり、折り紙のスキルを維持し、されに磨きを掛けてきた彼。
その理由を考えると、胸が熱くなります。

15センチ四方の紙が、まるで魔女が使う魔法の小道具のように様々なものに変化します。
そう考えると、彼はさながら魔法使い。ウイッチならぬウイザード――彼のスキルは魔法のスペルといったところ(1文字違い(笑))

そんな魔法で彼自身の望みは叶えられるでしょう。
なぜって?――だって、そんな15センチが二人をしっかり結び付けているのですから。微かであっても繋がってさえいれば、いつかきっと巡り会えるのですから。

そう思わずにはいられないお話です❤

★★★ Excellent!!!

「折り紙」を媒体にして、ここまで鮮明鮮烈な「時代」を描写してしまう技量に驚きつつ……。

切ないようなほろ苦いような、そんなストーリー展開に、「ああ、わかるなぁ」なんていうような感傷も覚えたりして。

ハイレベルなストーリーと、まとめ上げる高い技量。
正直羨ましい。

★★★ Excellent!!!

晴れた日に空を見上げ、白くて形のポワポワした雲を見つけた時、『何だか、以前に見た形に似てるなぁ』と思うことがある。

雲は同じ形で留まることをしないが、それでも何かの拍子に、かつて見た同じ形の幻影と重なるものだ。

この作品で語られる15センチの可能性も、そういった類のものかもしれない。

すれ違い、というのではなく、人生の交差。

それは人の意思ではどうにもならないけれど、心に理想として思い描くビジョンと何時か重なる可能性は、確かにゼロじゃない。

★★★ Excellent!!!

折り紙を通じて語られる作品です。しかし、ただの物語ではありません。遠い昔に見た、今もなお胸をくすぐる淡い心模様を、色とりどりの折り紙のように、繊細に描き出されています。

メインの15センチですが、作家の拘りを映し出し、メインストーリーを際立てせる形となってます。

折り紙の興味深い話と、淡い心を紡いだ作品。ぜひ皆さま一読されてみてはいかがでしょうか?オススメですよ!!

ラストは、ひょっとしたら15センチまではそばに来てたかもしれませんね(^-^)