第94話 朝焼け空

朝焼けの空に

取り残された一つの星が

淡いオレンジの雲間から

弱くて温かい光を放つ


この広い空でたった一人

寂しくないのかと問いかけても

星は優しくほほえんで

大丈夫だと首を振る


その光は儚くて 

でもなぜか目は離せなくて

ふるふる震える涙みたいに

こぼれ落ちるのをただ見ていた


星はたった一人で

消えていく夜を見送って

だんだん明けてくる街に

滲んで溶けて消えていく

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