第16話 夏の陽の中で

ふわふわとゆれる木の葉

夏の日差しに灼かれて 

渇いた地に舞い落ちる 

まるで涙みたいに 

熱をはらんだ風が

柔らかく頬を撫でる

たとえ踏み付けられても

存在は消えないから

見上げた空の青に

吸い込まれてしまいたくて

そっと視界を閉ざして

身を委ねてみても

ここに在る現実が

全身に降り注ぐ

照り返す陽の中で

今確かにこの地を踏みしめる

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