第6話 雨の中

強い雨は

汚れた大地を切り裂いて

開きかけの

小さな花びらを濡らした

その花は

雨の思いを受け止めて

ひっそりと

重い空気に輝いた

駆け抜ける

鈍い痛みを抱きしめて

濡れていく

体を灰色の空に預けて

ほのかに揺れる

花びらをまぶたに焼き付けて

今ひとり

冷たい雨の中に佇んだ

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