丑年の男

ンモー まいっちゃうなあ

みんな姿が見えないけど どこに行ったの

残されたやらなくてはならない仕事ばかり

みんな手を焼く細かい残り物ばかり


ぼちぼちのんびりやりますよ

そんなに手先は器用じゃないけれど

こつこつ地道にやりますよ

早く早くって急かされたりしなければ


誰もいなくなって一人きり

そんな昔から慣れっこの景色

お日様はもうすぐ眠ってしまうけれど

結構ね、こう言うのキライじゃないから


ンモー 特に頑張っている訳じゃないよ

ただそれをするのが好きなだけ

好きな事を好きなだけしてるだけ

辛くなったらすぐにやめちゃうからね


のんびりのんびりマイペース

興味のある事しか興味はないよ

歩みは人より遅いけど

人生を楽しむコツは知ってるつもり


話は話すより聞いてる方

あまりに聞きすぎて話すタイミングを忘れちゃうけど

みんな全くそれを気にしない

僕はその輪の中にいられるだけでいいや


干支の産まれは丑年だから

気性も何だか似ています

のんきにねずみを頭に乗せてた

そんなお人好しさが大好きです


のんびりぷかぷか雲見てる

つぶらな瞳で雲見てる

もくもくとひたすらに草を食べては

ねえ、君は一体何を考えてるの


ンモー その声は誰に届けるの?

ンモー 何故だか少し切なくて

ンモー 淋しい声は夕焼けに溶けて

ンモー とりあえず今日も暮れていく

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る