深い群青に浮かぶ砂世界

砂漠の夜

淋しくて広大な景色に

ぽつんと月がひとつ

砂ばかりを照らしてる

本当にシンプルな景色

足跡はどこまでも続く


まるで違う星のよう

ここが昔森だったなんて

今は動くもの一つない静寂

心の中に何かがうごめいている

冷える空気にホンモノの闇に

天空から降りるものがダイレクトに身体に刺さる


ここが未来の私たちの見る景色だと

賢明な科学者は計算式で導き出す

ひとすくいの水にも困る未来を

彼らは涼しい顔で当然のように話すのだ

今も青い空には白い雲が泳いでる

そんな未来の景色なんて想像すら出来ない


過去何億年も地球環境は変動してきた

今よりもっと暑い時期もあれば

世界中氷で覆われた時期もある

多分伝説の大洪水もあったりしたのだろう

今だけが異常だなんて後の歴史家は笑うだろうか


砂漠を抜けて人は広がっていった

歴史の足跡がこの砂の下に埋もれている

いくつもの物語がここを通り過ぎていった

砂漠に人は定住出来ないから

夢のお告げを聞いたジプシーも

戦火を逃れた被災者たちも


無限に広がるように見える砂世界

それはこの天に輝く星空世界のように

昼は灼熱のこの場所も日が暮れれば別世界

サソリが出ない事を祈りながら温かいコーヒーを飲む

ずっとずっと遠くまで広がる世界は月の光に濡れている

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