秋空の神話たち


銀の光に濡れてススキが揺れている

今夜は静かな静かな夜です

じっと夜空を眺めていましたら

涙のように流れ星が流れていきました

空も何か哀しい事があったのでしょう

私にだけその涙を見せたのです


今宵の澄んだ星空に

星の瞬きの歌も聞こえてきそう

街灯もないこんな寂れた田舎道

あぜ道に寝転んで満天の光の粒たちを眺めてる

世界はただそこに在るだけなのだ

その圧倒的な存在感に圧倒される


どこまでもどこまでも広がる闇に飲まれているね

僕も今は闇の住人

手のひらを伸ばしてみても今は何も分からない

今でも心臓は動いているのに

今でも肌は暖かいのに


このままじっとしていたら

心の奥の透明な所に

色んな物語が降りてくる

まるで星たちが語りかけているみたい

さて、今宵はどの星の神話を紡ごうか


このままじっとしていたら

くしゃみが中々止まらない

あんまり長く外に居たから

もうそろそろ家へ帰ろうか

体が少し冷えちゃった

暖かいお風呂に入ろうか


風呂上り 寝る前に

窓の外の星たちに最後の挨拶を

続きは夢の中で会いましょう

神話の続きを紐解きましょう

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