第25話:「坊っちゃん文学賞を取る方法」大島一洋
誰かの近況ノートを読んでいたら「坊っちゃん文学賞を取る方法」という創作指南へのリンクがあったので、少し読んでみた。
http://dacapo.magazineworld.jp/regulars/bocchan/149571/
そもそも「坊っちゃん文学賞」そのものが胡散臭い。次に「取る」より「獲る」という表現の方が一般的なのではないか。もっと言うと、そもそも「とる」のではなく「受ける」「授かる」「いただく」ものではないか。さらに、大島一洋とは誰なのか。
など、様々な疑問がわいてくる。それでも、表現上の注意でためになりそうなアドバイスがあった。常々、自分も「もっと文章を削らないとダメなのではないか」と思っていたので、以下の注意点は忘れずにいたい。
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最近の応募原稿には奇妙なペンネームが多く見受けられます。男性が女性をかたったり、その逆もあります。気取ったペンネームを考えるくらいなら、原稿の中身を工夫したり推敲するほうに集中すべきと思います。プロの作家をご覧になればおわかりと思います。変なペンネームの人はまずいないでしょう。好きな人の姓を使うとか、自分の出身地名を付けるとか、名前をひらがなにするなどのほうが無難です。変なペンネームの作品は、中身もよくないことが多いと言われています。
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最初の3行から5行が大事です。選考委員に「おっ」と思わせる工夫が必要です。プロの作家でさえ何度も書き出しを考えて書き直しているくらいですから、素人は最低でも10回は書き出しを書き直すべきと思います。といっても、書き出しはその小説全体の空気を伝えるものですから、大げさに文章をひねくる必要はありません。
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「文章は形容詞から腐る」と言ったのは開高健です。形容詞は修飾語ですから、使い過ぎると文章をイヤミな感じにさせてしまう。つまり文章は飾りすぎるな、ということです。
比喩も注意すべきです。「幽霊のような」「鬼のような」「この世の終わりのような光景」といった陳腐な表現は使わないこと。幽霊でも鬼でも種類があるはずだから、曖昧にせず、自分の実感を表現するように心がけるべきです。
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接続詞は、たいがいの場合削っても意味は通じます。「しかし」「そして」「だが」などが続くとうるさい駄文になりがちです。思い切って全部削ってみてください、すっきりしますから。
また「私は」「僕は」などの主語もできるだけ削ったほうがいいでしょう。主語を繰り返さないと不安なのかもしれませんが、省略したほうが文章が締まります。
さらに言えば、「~のような」「~という」はできるだけ減らすようにするといいでしょう。どうしても使わなければならない場合は仕方がありませんが、別の言い方ができないかを考えてみましょう。
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「しかし」「そして」「だが」「~のような」はごく自然に使ってしまうので、癖になっているようである。
「~という」は他人の文章を読んでいて多いなと感じることはある。なぜか常に「~と言う」と書きたがる人がいて、確か漫画家のエッセーだった。
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