第98話 神様には2千円

 バイト先で新年会があった。

 出るつもりはないと断ったのだが社長がどうしてもというので渋々出席した。

 酒も飲めないし、タバコも吸わない。

 飲み会など苦痛でしかないのだ。

 酒も進んでくると周囲が騒がしくなる。

 バイトでシフトが一緒になる若い男性が酔い出して皆に金を配りだした。

 なぜか彼はポチ袋を持参しており、千円づつ何かに理由をつけては配っている。

「今日が誕生日?じゃあ5千円」

「6月の誕生日が3人いるの?じゃあ千円づつ3人に」

 など理由はなんでもいいのだ、彼が私にポチ袋を差し出した。

「神様、神様にはいつもお世話になってます…神様には2千円!!」

 僕は神様なのか…。


 後で回収して、彼の鞄に戻しておいた。

 社長曰く

「桜雪さんの周りには人が集まるね、人望だよ」

(素面だから酔っ払いに絡まれやすいだけのような気がするのだが…)

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