第94話 おみくじ

「恋愛おみくじをひいたんですよ」

「ほう、結果は?」

 ラブホでバイトしている20歳の女の子。

 おみくじをひいたらしいのだが…。


「小吉?末吉?でした、あとで見せてあげます」

「そう、まぁギリギリ吉ならいいんじゃないの」

「去年は大吉でした」

「運気は下がったということだな」

「………」


 北、北東から来る。

 ヘビ年

 いて座

 A型

 5歳以上年上


「条件厳しくない?」

「あくまで理想ですから、北ってどっちですか?」

「コンパスないよ」

「あっ、アプリがある……こっちみたいです」

「とりあえず壁だな…このホテルでは出会わないってことだ」

「でも北東がこっちです」

 ギリギリ従業員玄関側。

「今年は、ずっとそっち向いてろ」

「桜雪さん、何座?」

「いて座だけど、ネズミ年でO型だ」


 おみくじの結婚運

『神に祈れ』と書いてある。


「とりあえず、昨年も恋人はいないんだよね」

「はい」

「今年は、大吉だった昨年より厳しいということだ」

「………」

「おみくじってさ、神様が道しるべを示してくれるわけじゃない」

「はい」

「結婚運、神に祈れって…その神様から見放されてないか?」

「………」

「神頼みって、神様が使う言葉じゃないよな~」

「今年もダメですか?」

「それを神様に聞いてコレだからな~」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます