第51話 好きの違い

彼女を抱きたいと思ってしまう。

こんな気持ち無ければいい…。


金を出せば、ホテルにやってくる…だけど…それも違うように思う。


月に1・2度、食事ついでに店に送るだけの関係。

彼女はそれで満足している。


「メールでやりとりしてる関係でいいんじゃないかな」

「メールだけで一生は嫌だよ」

「セックスしたいだけなのなんて言われるのも嫌だし、何もないってのも嫌だ。だから逢わない…」

「そうだね、また気が向いたらごはん誘ってよ、わたしも適当に誘うから」

「そういうのやめてくれ。気持ちが無いならツライだけだから…他の人と行ってくれ」


そこで途切れた。


これでいいと思う…。

恋人にはなれない。友達というわけでもない。店の客でもない。


それでいいと思う…。

彼女の好きと、僕の好きには、少し差がある。

きっと同じになれないなら…いつかこうなる。


彼女は自分に必要な男性を探せばいい…きっと僕じゃない。


『好き』の違いは埋められなかった…きっとホントに好きだった。

好きだから…だから…だけど…でも…コレでいい。

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