第49話 『通』その5

「うん…やっぱり、そうなのか?」

「そうだろうな…」

「俺、何度かソープ行ってるけどさ…そういうこと多いよ」

「うん…なんか解る気がする」

「なんでだと思う?」

「えっ?」

「いや、どうしてだと思う?」

「うん…顔とかはさ、よほどでなければ彼女達は気にしないと思うよ…だけどさ、やっぱ不潔そうとか思われるとさ…したくなくなるんじゃないの?」

「俺、野宿したからな」

「うん…まぁ…そうかな…」

(それだけじゃないと思うけど…)

「デリヘルって呼んみたいんだ」

「俺を降ろして、ホテルに行けば?」

「そう思うんだけど…いつもさ…なんか高そうで嫌なんだ…」

「うん…じゃあ止めれば」

「オマエさ、ちょっと電話してくれない?」

「どこに?店に?」

「うん」

「いいけどさ…電話貸して」

「えっ?なんで俺の?」

「逆になんで俺のを使おうとした?」

「誰のでもいいじゃん、俺ガラケーだし」

「関係ないし…登録されるから…自分の使えよ、嬢から電話来たら、俺に掛かっちゃうでしょ」

「そうなの?」

「そうだよ、オマエ、それだけ風俗情報紙読み込んでるのに、なぜシステムを把握できない」

「はぁ…ダメなのか…」

「ところで…その後、秋田からどこ行ったんだ?」

「ん?あぁ…帰ってきたんだ…」

「そのまま…」

「あぁ…電話があったんだ、かみさんから」

「なんて?」

「ごはんだって…」

「オマエ…秋田じゃん」

「だから晩飯までには帰るって言ったさ」

「誰もオマエの失踪に気付いてないんだな」

「うん…そうなのかな」

「家出にもなってないな」

「本当に嫌になったんだ…なにもかも」

「墓参りでか?」

「先祖がさ…護ってくれてるんだよ、それをさ…」

「そうか…俺が、今こんななのは先祖の力不足だとしたら…目の前で正座させてガチ説教だがな、なんなら120%の俺で対応するが」


「それで、オマエは…恐山には?」

「あぁ…行ってない」

「そもそも、何しに恐山へ?」

「イタコ…イタコに話を聞いてもらおうと思ったんだ」

「そうか…俺がイタコで無くて悪かったが…その程度なら、子供無料電話相談のほうがイタコより明確な回答を出すかもしれんぞ」

「マジ?だって先祖に聞いてもらいたいんだよ」

「大丈夫だ…イタコなんて99%嘘だ…故人にあったような気にさせて安心させるのが仕事なんだ」


「そうか…そうなのか…俺…やっぱりエロ本買いに行くよ」


 なんでそうなる…。

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