第48話 『通』その4

「なんでソープへ?」

「うん…朝は安いらしいんだ、さっきの本に書いてあったんだ」

「早朝割引みたいな?」

「そうなのかな?20,000円って書いてあったけど、18,000円だった」

「そうか…」

「あぁ…最初に行った店な、ヤクザみたいなのが出てきて、今はどこもいっぱいだって言われてさ、他の店紹介されたの」

「うん…」

「5件くらいあるんだけどさ、その人が言うには、そこの店なら大丈夫だっていうのさ」

「うん…どこもいっぱいなのに?その店は大丈夫って太鼓判押される店って…ダメな店なんじゃないの?」

「あっ!…そういうことか…なるほどね…そうか…」

「どうした?」

「いや…行ったらさ、待合室に通されるんだ」

「あぁ、他に1人いてな…目は合わさなかったがな…」

「うん、紳士同盟みたいな空気があるよな、あの空間」

「1時間30分くらい待たされたんだ…そいつが呼ばれてからな」

「うん…ソレはあれだな、その姫しかいないんだな…1人しか」

「そうだったのかな…風呂は綺麗だったが…」

「清掃員としての意見だが…姫が1人しかいないから、終わったら部屋を移動して、その間に掃除してるんだと思うぞ、つまり、さっきの男の直後がオマエだってことだな」

「なるほど…さすがだな…桜雪…いつもながらの名推理だ」

「推理ではないが…」

「胸は大きいんだ…でもな腹はそれ以上に大きいんだ…」

「あぁ…嫌いなタイプだ俺」

「うん…それでな背は低いんだ…」

「うん…俺が絶対に選ばないタイプだ」

「そうなんだ…選べなかったんだ…」

「1人しかいないからな」

「しかも…ベラベラよく喋るんだ…ずっと…」

「それは…仕事したくないんだな…嫌われたか…」

「そうなのかな?ずっと喋るんだ…でさ、チョコチョコっと構っただけで、勝手に満足したとか言ってさ…ずっとお茶飲ませるんだよ」

「もう地雷か…よっぽどオマエが気に入らないかだな」

「俺、してないんだよ…それで時間だとか言われて」

「うん…だから、嫌われたんだろ?」


 ぼったくられたようです。

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