第20話 Nさん検査です

「桜雪クン、僕、検査に行けって言われたよ」

「Nさん、どっか悪いんですか?」

「僕?健康だよ」

「なんの検査受けるんです?」

「頭だよ…」

「………マジですか?」

「総務部がね、言ってきたんだよ…受診するようにって」

「なんの検査なんです?」

「コレだよ」

N主査は紙を私に差し出した。

ADHD診察、若年性痴呆診察。

(アカン…ガチのやつだ…)

昔からの言動・奇行が近年、病名が一般的になったことにより、N主任の奇行ぶりが目に着いてきたのだ。


「今日、N主査、検査なんですよね」

「そうだね…不安だよね…痴呆はないと思うけどね…アスぺのほうは在り得るかもね」

部下とそんな話をしていた。


検査結果が届いて

「桜雪クン、大丈夫だったよ僕」

「そうですか、よかったですね、心配しましたよ」

「ADHDじゃ無かったんですね」

「ん…なに?」

「いやアスぺのほう…皆、確実だとか言ってたから」

「あ~ソレ受けてない、痴呆の方だけ受けた」

「えっ?」

「ボケてなくて良かったよ」

「うん…皆、そっちは疑ってないんですよ、アスぺの疑い濃厚だっていうんで総務部が受診させたって…」

「うん、そう言ってたけど、僕、痴呆症のほうが気になっててさ~、アスペルガーはいいですって言って拒否したんだ、サインしてない」


スゴイ喜びようだったけど…なんだろう、こういうところが、それっぽいんだよな~。

総務部・人事部に呼び出されて、えらい怒られてました。

本人、全然、気にしてなかったけど…。

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