第14話 それなら僕だけで…

少し前の話になる。

この頃の彼女はケーキをアホほど欲していた。

県内のお店を調べ、買いに出かける。


もちろん足と財布は僕だ…。


今も続けているかは解らないが、当時、行った店の感想を手帳に書いていた。

「あのさ~コレをさ~県内のスィーツ紹介の本にしたいね~」

「県内限定で売るの?」

「そうそ~う、でもアタシ紹介文とか書くの下手だから~桜雪ちゃんが書くの」

「うん…それなら僕が食べて書いたほうが早いよね…」

「ん?」

「だから、それなら僕だけで充分だと思うんだけど…」

「評価はアタシがしたいの!」

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