8/31 回転寿司

最近、どうしても気になっている事がある。


回転寿司の事を、よく


『回る寿司』


と呼称するのを耳にするが、回転寿司は


『周る寿司』


なのではないだろうか。


回転寿司は寿司その物が回っているわけではなく、寿司屋の店内を周っている。

それならば、『回る寿司』ではなく、『周る寿司』であるべきなのだ。

だと言うのに、この国の人間は誰もが回転寿司の事を『回る寿司』と呼ぶ。


これは一体どういう事なのか。

正しい呼称を避け、間違った呼称を使用するとは。

まるで、かのようではないか。


名前とはその物の本質を現すと言われており、その物の真の名を知れば自由に操る事が出来ると言う。

恐らく、人々が回転寿司を『回る寿司』と呼称するのは、この真の名に関係があるに違いない。


たかが回転寿司。されど回転寿司だ。

この国にとって、何か重大な秘密があるのだろう。

回転寿司、謎である。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る