8/26 玉子そぼろ台湾鍋

とんこつ台湾ラーメンが食べたい。

豚挽肉と、ニラと、大蒜と、唐辛子を炒めた物をこってりとしたとんこつラーメンに乗せ、辛旨でありつつも濃厚で味わい深いスープを飲み干したい。

油だ…油が…油を食べたい……




いかん。

いかんいかん、駄目だ。

危うく高カロリーな食べ物に逃げてしまう所だった。

まだ始めて二日だぞ?

そんな事でどうする。

あの過酷な生存訓練を忘れたのか?

あの時に比べたら食べる物を制限されているだけで、食事自体は可能な今は天国だろうが。

私の心はこんな事では折れはしない。

そうだ。私は誘惑に負けたりなんかしない。絶対にだ!!




と、意気込んでは見せた物の、やはり食べたい物を我慢するのは体に良くない。

なので、ここはなんとかそれらしい代替え品を食べて欲求を満たしてやろう。


まずは豚挽肉をなんとかする。

挽肉は肉の塊として扱えない切れ端の部分を集めた場合が多く、赤身よりも脂身が多く含まれている場合がある。

なので、豚挽肉は使わない。

代わりに、卵そぼろを用意する。

卵そぼろは卵に少量の出汁と味醂と酒を加え、鍋に入れて中火で焦げないように手早く掻き混ぜ続ける事で作れるぼそぼそとした塊だ。

ちらし寿司等に使われる彩りの一種だが、そのぼそぼそ感がなんとなく挽肉を炒めた物に近いのだ。


卵そぼろが出来たら、次はその卵そぼろを使用して台湾ラーメンの具の部分を作る。

フライパンに油を敷き、細かくした唐辛子と大蒜を入れて弱火にかける。

暫くすると唐辛子が黒くなってくるので、そうしたら適度な長さに切ったニラを加えて手早く炒める。

ニラはある程度は生でも食べられるので、ここではさっと混ぜる程度でも良い。

全体が馴染んだら卵そぼろを加え、甜麺醤、豆板醤、酒、醤油を加えて焦げないように強火で和える。

これで卵そぼろを使用した台湾ラーメンの具が出来上がった。


次はスープだが、本当のとんこつスープを使うような事はしない。

ここは豆乳にコンソメを混ぜてそれっぽい物をでっち上げる。

コンソメだけでなく粗挽きの胡椒を混ぜると尚良い。


最後にラーメンと言えば麺だが、麺は炭水化物なので出来れば遠慮したい。

なので、ここはカロリーも少なく値段も安いもやしで代用する。

もやしを水洗いしたらざるに広げ、上から満遍なく沸騰したお湯をかける。

すると、生のシャキシャキ感を残したまま茹でたようなもやしになる。


後はこれらを合わせるだけだ。

とんこつスープを模した豆乳スープに、中華麺を模したもやしを入れ、豚挽肉を模した玉子そぼろニラ炒めを乗せる。

これてとんこつ台湾ラーメンならぬ、玉子そぼろ台湾鍋の完成だ。

大部分がもやしとニラなので体に良く、低カロリーなので食べ過ぎても問題が無い。

豚の脂が無い事で少しコクが少なく感じるが、豆乳とコンソメを濃くすれば気にならない。


さて、これを食べたら少し運動に出かけなくてはな。

市民プールに行くか、自然公園をジョギングするか。

取り敢えず、食べた分は動かなくては。

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