7/22 トムヤムクン

世界三大スープの一つに、トムヤムクンと呼ばれる泰国のスープがある。


海老と香草と香辛料をふんだんに使って旨味と辛味と酸味を混ぜ合わせるスープで、泰国の代表的な料理だ。

その濃厚で複雑な味は一度食べれば病みつきになり、ついつい飲みすぎてしまう。


そんなトムヤムクンだが、一つだけどうしても許せない所がある。


トムヤムクンには欠かせない、レモングラスと呼ばれる稲科の香草の事だ。


レモングラスはその名の通り、レモンの香りがする草だ。

通常ならばレモンの果汁は過熱すると蒸発して消えてしまうが、このレモングラスは加熱してもレモンの爽やかな酸味を損なわない。

そのため、泰国では煮込み料理によく使用される。

他にもレモングラスは薬や殺虫剤になり、その用途は幅広い。精油をマッサージに使用する事もあるそうだ。


この香草。いや、この草、実はとても硬いのだ。

筒状に束ねられた繊維を噛み締めると、バリバリとしてまるで竹を食べているかのような気分になる。

噛み切るのも一苦労で、そして全っ然美味しくない。

レモンの香りもスープに移っていてほぼ味が無い。

泰国の人間は美味いスープは作るが、食べる物の趣味は悪いのだなと思ったものだ。


そしてトムヤムクンの全ての具を食べ終わってから、店員に


「具が硬かったけど美味しかったです」


と伝えた所、


「ソレ、タベナイヨ」


と返されたのだ。


食べない物を入れたままにするな!!

それか持って来た時に言え!!!

出されたものは全て食べれると思うだろ普通は!!!!!


という事で、私はレモングラスを許さない。

いくら香りが良いとか、病気に効くと言われても、絶対に許さない。

貝や骨みたいに食べれない事が分かりやすければいいのだが、スープの具にしか思えない物は食べるだろうが。

まあ、トムヤムクン自体は美味いので食べる。レモングラスを許さないだけだ。

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