7/7 七夕ドーナツ

今日は七月七日。七夕の節句だ。


七夕とは婚姻したら全く働かなくなった夫婦を一年に一度引き合わせることを条件に働かせるという説話が由来の行事であり、好いた惚れただけでは生活できないという現実の厳しさを教えてくれる日だ。

元から何もしていないのならともかく、婚姻した途端に仕事を放棄するのは他の者に示しがつかない。せめて引き継ぎをしてから退職するべきだ。


そんな七夕だが、節句に相応しく行事食が存在する。

節句の行事食と言えば、

七草の節句は七草粥

桃の節句は菱餅

菖蒲の節句はちまきや柏餅

菊の節句は菊酒

となっており、七夕の節句は素麺だ。


夏になれば素麺というのは調理のしやすさからだけではなく、この七夕の節句の行事食から来ている。

細い麺を織姫が行う機織の糸に見立て、裁縫技術の向上の祈願としたのだ。


しかし、実はこの『七夕には素麺』というのは歴史の中で変化してきた物であり、実は別の物が本来の行事食である。


それは何かと言うと、唐菓子の一種で索餅と呼ばれるものであり、所謂ドーナツの事だ。


あの時代にドーナツという言葉があったかは定かでは無いが、古来の七夕では厄除け祈願として、小麦粉を水で練り、細長い形状にし、二つに折って捻った後に油で揚げた索餅と呼ばれる物を食していたのだ。

小麦粉だけでなく米粉も用いていた説や、揚げるのではなく茹でていたという説もあるが、大方小麦粉が用意できなかった場合や揚げ油が用意できなかった場合での工夫が家庭や土地に残って伝わったのだろう。

大元は唐菓子だからな。小麦粉を油で揚げるのが正解だ。


なので、本日は素麺ではなく索餅を作った。


小麦粉だけでは味気ないので、ドーナツのように卵と砂糖とバターを生地に混ぜてある。

生地はドーナツだが、形状は紐状にしてから二つに折って捻った索餅の形だ。

これに星に見立てて金平糖や星型のチョコレートを散らし、粉砂糖で線を引いて水の流れを現す。

後は出来上がったものを大皿の上で数個並べれば、索餅で作った天の川になる。


これが、私が考える、現代版索餅の七夕ドーナツだ。


カロリーが気になるのなら、小麦粉だけの生地を少し発酵させてから茹でた後に焼けば良い。つまり、ベーグルだな。

これを七夕ドーナツと同じように紐状にしてから二つに折って捻り、焼きあがったら包丁で縦に切込みを入れる。

その切り込みに千切りにした胡瓜や人参を挟んで川に見立てる。これならば低カロリーで七夕の節句の行事食になる。


これならば素麺と全く違った物になるので飽きが来ず、女性や子供にも人気だろう。

素麺では味気ない上に、下手をすると毎日食べている者も居るはずだ。

そんな状態で七夕の節句の行事食を食べなければいけなくなった場合は、この現代版索餅の七夕ドーナツを試してみて欲しい。


行事食だからと同じものばかりを食べるのではなく、たまにはこうして違う形にしてみるのもいいだろう。

伝統も大事だが、時代に合わせて柔軟に変化させる事も大事なのだ。

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