第1463話「野に兵」

午後十時の散髪屋。

帯刀女子高生が現れた。

髪は神(一般人が想定する人間を超越した宗教的な存在を指す言葉。また、大変に威力の優れた対象に対しても神の呼び名が付けられる場合がある)よりもずっと成長しやすいため、一般に神よりは髪の方が斬りやすいとされているが、帯刀女子高生は神を斬るよりも髪を切ることが苦手だったので恥ずかしい気持ちを抱えながら散髪屋に入店した。短く整えてくれ、との要望を受けた店主はハサミを取り出したが、その瞬間散髪屋の空気が変わった。店主が構えたハサミは、三日前に町外れの神域に残っていた気配とまったく同一であった。町外れを縄張りとしていた神が消えたという噂は、まさか。帯刀女子高生が問うと、散髪屋店主はその姿を一変させ、帯刀女子高生に襲い掛かった。

だがいきなり長いレールガン女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で説明した。

帯刀女子高生が持つ刀は確かに魑魅魍魎どころか神さえも切り捨てるほどの名刀だが、彼女自身は神ではないと理解して散髪屋店主は落ち着いた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る