第1462話「誰でもない誰かの話」

午前十一時のアプリケーション。

バグが現れた。

インストール先フォルダに放置してあるファイル群はテキストエディタ(一般人が想定するテキストで構成されているファイルを編集するためのソフトウェアを指す言葉。秀丸エディタ、Vim、Atomなど)での書き換えよりもずっと自社製統合開発環境からのアクセスのことだけを考えている割に公式な取扱説明書では中身の直接書き換えを手順として説明しており、手順に従って書き換えたのにも関わらず盛大にエラーを吐き、終いには内部に不正なデータが残ったらしく存在していないファイルとの重複メッセージが表示されまともに動作しなくなったのでユーザは永遠にキレていた。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で不正なデータを破壊した。

アプリが使いづらいことには変わらなかったのでキレたユーザは会社を破壊しろと強く主張したが、どちらも社会の歯車なのでレールガン女子高生は手を出さなかった。

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