第1389話「理解が拒絶を生む」

午後十一時の街灯の下。

吸血鬼が現れた。

読書週間は子供(一般人が想定する年端もいかない者を指す言葉。思慮や行動などが幼く足りない者のことも指して使われる用語でもある)よりもずっと吸血鬼に影響を与えており、これまであまり読書というものをしてこなかった吸血鬼ではあるが、今は様々な本を読むようになっていた。図書館から借りてくるのはもっぱら子供向けの図鑑や知識本が主で、何故かというと吸血鬼は獲物である人間のこと以外をほとんど知らなかったからだ。図鑑をめくって得る知識は新鮮で、楽しさに思わず笑みがこぼれた。しかし、とある記述がそんな吸血鬼の目に留まった。月の光は太陽光を反射している。太陽が苦手な吸血鬼は、その知識を得てから月の下も歩けなくなった。

さらにいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で太陽光発電システムを教育した。

人工灯もダメになり、吸血鬼は棺桶の中に引き籠った。

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