第1324話「不可解」

午前五時の雪国。

ようやく家に辿り着いた舞茸が現れた。

吹雪は吹雪(一般人が想定する吹雪型駆逐艦一番艦を指す言葉。田舎くさい純朴そうな顔をしている割におじさんとラブホテルに行く姿が目撃されている)というよりもずっと雪風と呼ばれたがっていたが、同様に、舞茸も舞茸というよりは椎茸と呼ばれたがっていた。名前を変えてくれと上司に何度訴えたか分からない。それでも舞茸は椎茸になることはできず、とぼとぼと夜道を歩いているうちに妙な道に迷い込んでしまっていた。家に辿り着いたときにはすでに夜が明けようとしており、昇ってきた太陽で目が眩む。焼けるような光を浴びて、ふと気付いた。どれだけ性に塗れていようと吹雪は雪風にならないし、同様に、舞茸は椎茸にはなれないのだと。舞茸は悔しさに涙した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で舞茸を椎茸に変えた。

株式会社雪国しいたけが誕生した。

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