第1288話「胃痛の原因」

午後十一時の胃。

食料が現れた。

胃は食料(一般人が想定する食べることのできるものを指す言葉。食べることができるということは口を持っていることを意味し、当然ながら牙がついている)よりもずっとしっかりした保護を受けているので食料のように溶けることはなかったが、そこはただで溶かされる食料ではない。窮鼠猫を嚙むというように、溶かされかけた食料は胃の粘液層に牙を剥いた。粘液層を破られた胃は消化液で自分自身を溶かしてしまう。胃の持ち主は急な胃痛を訴え、救急搬送されることとなった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で胃の傷を修復し、食料の動きを止めた。

丸吞みはやめるように、と胃の持ち主は医者から忠告を受けた。

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