第1227話「はるかぜとともに」

午前四時の車庫。

仕事に出掛けようとする男が現れた。

モルカーは飼い主(一般人が想定するその動物を飼い育てている人を指す言葉。多くの場合飼われている動物は飼い主に懐いているのだが、いつまで経っても警戒されるような飼い主も稀に存在する)よりもずっと飼い主の身体を気遣っていたのだが、男は社会性にすっかり染まってしまっていたので早朝から深夜まで十六時間程度仕事をするのが普通のことだとモルカーに告げ、職場に出発する。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で運転の主導権を飼い主からモルカーに移譲した。

思考を放り投げたドライブと春の風は男の荒んだ心を優しく撫でて癒していった。

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