第1209話「実質」
午後四時の階段。
セックスしないと出られない部屋への入り口が現れた。
怪談は噂(一般人が想定する世間で言い交わされている話を指す言葉。正確な知識も情報も明確な根拠もないまま広まった内容は世に混沌をもたらす)よりもずっと俗っぽいので、段数を数えると特定の時間帯のみ一段増えているなどという地味な内容よりも学生たちの間で話のネタにされている部屋を生成した方が話題性が高いと考えたのである。ただし怪談はセックスのことがよく分からなかった。セックスしないと出られない部屋とは名ばかり、その内実は非常に複雑なダンジョンとなっており、中に入り分断された複数人が傷つき友情を損ないそうになりながらも絆を深めた末に合流できれば脱出できる構造となっていた。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で怪談にセックスとはいかなるものかを教育した。
怪談は部屋の名称を変えなかった。
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