第1193話「反撃の狼煙を上げろ」

午前十時の研究所。

バールを持った科学者が現れた。

科学者は侵略兵器(一般人が想定するこれまで研究所が開発した地球侵略を目的とする様々な兵器を指す言葉。空想具現化装置しかり、殺人機械しかり多くの兵器が実戦投入されたものの、いずれも侵略の決定打にはならず街ひとつ破壊する程度に留まっている)よりもずっと株主の頭を叩き割る機会が欲しくて仕方なかった。株主だからといって言っていいことと悪いことがある、すべてが計画通りに進むはずはないのだが株主連中はそれを理解しない。何一つ現場を見ず、理想だけを高らかに謳うのだ。科学者は発狂し、株主総会の会場にバールを持って乗り込んだ。非力な科学者の腕であってもバールの力を借りれば一人分の血花を咲かせることくらいできるだろうと突撃を敢行する。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でバールを軟化させた。

科学者の意識は奪われ、物言わぬ社会の歯車となった。

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