第1113話「お嬢様の性癖」

午後九時の庭園。

紅茶を嗜むお嬢様風日傘仕込み銃女子大生が現れた。

お嬢様風日傘仕込み銃女子大生は日光(一般人が想定する太陽の光を指す言葉。浴びると肌が焼けて茶色くなる)よりもずっと流水に弱く流れるプールでしょっちゅう溺れそうになっており、さらに杭を胸に打ち込まれると死亡するので吸血鬼なのではないかと囁かれていたが、確かに血を飲んでいるのは事実だった。紅茶に一滴垂らされた血は、先日エタノール研究会で酔っ払った神火飛鴉女子大生が酒瓶の破片で指を切ったときのものである。研究会での神火飛鴉女子大生を思い出す。彼女は極度に酔っ払うと何の話でも泣く。なんなら世界情勢とかでも泣く。そして、非常に泣き顔が似合う。泣き顔を思い出しながら飲む血は絶品だ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で目覚めそうな性癖を封印した。

しかし封印とはいつの日か解き放たれるものなのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る