第1094話「社会はいつもひとつ」

午後四時の職場。

仕事の終わりを待つ社会人が現れた。

社会人は社畜(一般人が想定する成れ果てを指す言葉。働くために生きるという哲学の体現)よりもずっとまともな勤務形態、勤務時間で働いており、残業もほとんどない健全な職場ではあったが賃金が低い。残業で稼ぐという方法もなくはないが、結局のところ時間単価を上げない限りどうしようもない気がしている。とはいえ終わりまでの一時間近くを調べ物に費やすことのできる状況は精神的に楽なので、つまりは楽で安月給か、辛くて高給か、そういう二択でしかないのである。無意味な調べ物と思考時間があると社会の欠点が見えてくるので社会人は社会を破壊すべく魔王と化した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で魔王に多くの部下と責任を与えた。

どんな環境にも社会は発生すると魔王は学んだ。

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