第1065話「桜の木の下には死体が埋まっている」

午後十一時の地中。

人間の上半身が現れた。

上半身は下半身(一般人が想定する腰から下の部分を指す言葉。筋肉質で食べるとパサパサしている)よりもずっと重要な器官が多いので、つまり栄養価が高いので、上半身を養分にして桜の木はぐんぐん成長していった。逆に下半身を根元に埋められた桜の木はがっかりしてしおしおと枯れてしまい、二本の木は大して見比べずとも違いははっきり見て取れる。満開の桜の下で女は地面を掘り返し、腐乱した上半身を見つけると汚れることもきつい臭いも厭わずぎゅっと抱擁する。二人の間には聞くも涙、語るも涙の物語があった。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で物語をスキップした。

それはいレ生ではないところで綴ってほしい。

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