第1041話「私だけの特権ではあるが」

午前六時の病院。

痴漢が現れた。

犯罪者は常人(一般人が想定する一般人を指す言葉。意外と少ない)よりもずっと稀少な存在である。痴漢の結果、電車内で逆襲に遭いボコボコにされ殺される寸前だったが、その稀少性をたまたま居合わせた政府高官に認められ、病院に搬送されることとなった。痴漢は全治四か月の重傷と診断されたが、政府高官が秘匿していた治療カプセルの中で三十分ほど過ごしたのち完治、俺に恩を着せてどうするつもりだと痴漢が問えば、政府高官は無言で彼を昏倒させ実験施設へと運んでいった。痴漢発生率の減少した現代、政府は痴漢を精神分析し、ごくわずかとなった痴漢件数をゼロにしようと目論んでいたのだ。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で政府を爆破した。

なりきり女子高生へのお触りを禁じられては困ってしまう。

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