第1024話「惜しい」

午前六時のキッチン。

ウインナーを焼く香ばしい匂いが現れた。

お弁当は既製品(一般人が想定する最寄りの販売店で売っている商品を指す言葉。美味いが連日食べていると食べ飽きたりする)よりもずっと安いと思われるが言うほど驚異的に安いわけではなく、しかしそれでもお弁当には愛情が詰まっているので食べるととても美味しく感じられる。愛情は企業努力に勝るのだ。なりきり女子高生はお弁当を作っていた。自分のためである。加えて、ガトリングガン女子高生のためでもあった。ガトリングガン女子高生は案外適当なので、一人でいると出来合いの品ばかり食べるのだ。もう少し身体に気を遣った食事をとった方がいいと思う。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でウインナーをつまみ食いした。

愛情を詰め込む前だった。

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