第1006話「ただそういう役回りなのだとしても」
午後二時のサーカス。
ピエロが現れた。
サーカスはピエロ(一般人が想定する道化師を指す言葉。人間が担当することが多いものの、サルでも代用は可能である)の芸よりもずっとゾウの玉乗りやキツネの演舞が目玉だったので、ピエロの扱いは酷いものだった。しかし道化を演じるピエロはサーカスの団長からどれだけ酷い扱いを受けても決して笑みを崩さず、不気味がられるようになっても笑い続け、それでもやっぱり笑っていた。ピエロは最終的にすべてから見放され、路頭に迷うこととなった。笑う、それでも。笑顔は幸福を呼ぶとされているが、ピエロのもとに幸福は訪れないのに。もはや幸福になりようもないのに、それでも。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でピエロに幸せをもたらした。
仮面のような笑みが晴れ渡る。
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