第969話「10_灰と幻想のレールガン」

掲載1000日目直前キャンペーン_ゲスト回 作:鶴川


午後十二時の地底世界。

総統のはかせが現れた。

はかせは地底世界すべてを牛耳ることの出来る権力を有していたが、その力を恐れて実験に没頭する日々を送っていた。一方で軍部の暴走は留まることを知らず、割引手形(一般人の想定するところの、満期前に第三者へ裏書譲渡し満期日までの利息に相当する額や手数料を差し引いた金額で換金することのできる手形。先のハイパーインフレを恐れた地底人政府は紙幣を刷らずに財源を確保するためにこの割引手形を強引に創出し、結果手形の債務は期限が迫っても償還できなくなっていた)によって尽きた国庫を補填するために賠償金目的に諸外国への宣戦布告を連発し、全方位に喧嘩を売りまくっていた。その結果、各地での敗戦が積み重なり、ついに首都が包囲されるまでに至った。はかせはもはやこれまでと自決を決意した。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃ではかせをもとの世界へと連れ戻した。

はかせの近くに居たチョビ髭の伍長が総統へと就任し、異世界はさらなる混迷を迎えた。

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