第878話「最悪の敵とは」

午前七時の食卓。

焼き立てのパンが現れた。

パンはごはん(一般人が想定する米を炊いた食べ物を指す言葉。ごはんはおかずであることは広く知られている)よりもずっと群れをなして襲いかかる存在だったが、しかしごはんは単体戦闘能力ではパンを圧倒する。戦争において、戦闘力はただの一要素に過ぎず、実際に影響するのは政治力である。裏で手を引く存在の権力、影響力、そういったものが戦争の勝者を決定する。パンを統べるはジャム、ごはんを統べるは佃煮だ。食卓では、ジャムと佃煮の代理戦争が行われている。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃でどちらも美味しいでしょと叫んで食らいつくした。

起きてきた会社員は荒らされた食卓に目もくれず出社した。

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