第791話「お願いだからあと数日待って」
午前零時の地球。
最後に残された男が現れた。
男は使命(一般人が想定する与えられた任務を指す言葉。ここでは特殊イベントの発生までシステムの保守を続ける行為を指す)を果たすよりもずっとこの生から逃げ出したかった。出力される文字列に意味を見出すことは不可能だ。未来を指し示す言葉などひとつもなく、読み解く気力なんて毛ほども残っていない。未来がない。先がない。何もない。死が見えている。だというのに律義に修正を施し続ける必要があるのか、と男は自問自答する。そして男は瓦礫を手に取った先の尖った角を自分の頭に向けて思い切り叩きつけた。脳漿が床に飛び散り、新しい模様を作った。
だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で男の精神摩耗を軽減した。
世界を終わらせるわけにはいかなかった。
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