第747話「程度を知らぬ獣」

午前四時の山。

空腹の熊が現れた。

熊は冬(一般熊が想定する冬眠の季節を指す言葉。他にも春眠、夏眠、秋眠と四季折々の睡眠がある)よりもずっと春の方が好きだった。春は気温とともに頭も暖かくなり調子に乗った人間が肝試しに山へとやってくるので、人間が狩り放題なのである。ある日は人間の心臓のみを抉り出して喰らい捨て、ある日は人間の脳を一口齧って棄てた。獲物が狩り場に入ればすぐに感知できる、あとはただ欲望のままに殺して喰らうのみ。人の肉の味とその狩り方を覚えた熊は山のウサギとも呼ぶべき恐るべき脅威となる。

だがいきなり長いレールガンを持った女子高生がやってきて、とにかくすごい攻撃で熊を退治した。

山が開拓された。

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