第743話「確かな知識」

午後八時の駅前。

日本酒を多く取り扱っている居酒屋が現れた。

居酒屋はワイン(一般人が想定するブドウ酒を指す言葉。きわめて歴史が古く、八千年前には既にワイン醸造が行われていたとされる)よりもずっと日本酒を揃えており、常時七十種類以上は飲めるという話だった。実際冷蔵庫にはパッと見ても確かに話は事実であると信じられるくらいに酒瓶がしまってあり、なんなら試しに言ってみたら十四代が六種類くらい出てきた。とはいえ一合千五百円から二千五百円まで、高すぎるので制覇は不可能。気になっていた十四代秘蔵酒のみを注文する。

だがいきなり居酒屋の親父がやってきて、とにかく控えめな意見でわざわざ高い酒を頼まなくても美味い日本酒はたくさんあるぞと別の酒を勧めてきた。

若者は居酒屋の親父を信頼した。

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